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ヒカリ 4

2013/10/06 Sun 16:53

遅くなって申し訳ありませんでしたーーー!!!

そして今回も暗い!
どうしようもなく暗い!

もうこっち書くのをやめて「ここから」書こうかと思ったほど暗いです!

それでもよろしければ続きよりどうぞ!!!!!!











マックラデナニモミエナイ。
コワイ。
ドコニイルノカモワカラナイ。
コワイ。
ナニモワカラナイ。
コワイ。

デモ。

ココカラデタク、ナイ。



ヒカリ 4



ふわり。
暖かい風が髪を撫でた。

それがあまりにも心地よくて、懐かしくて。
こうやってあの子に撫でられたのはいつのことだっけ・・・。

「きれいな、ひと・・・」



聴きたかった声にはっとして顔を上げた。

「最上・・・さ・・・?」

そこには逢いたくてたまらなかった彼女の瞳。

ベッドに座って、じっと俺を見つめる瞳。
ただ、それだけなのに。
それが無性にうれしくて、彼女をもっと見たいのに視界が霞む。

「・・・よかった・・・。本当によかった・・・。
このまま君が目を覚まさないんじゃないかと、本気で怖かったんだ・・・!」

俺を撫でていた彼女の小さな手を両手で握りしめて。
今のこの暖かさを感じる。

俺にとってどれだけこの子が大切なのか、嫌というほど思い知らされた。

「社さんだって社長だって琴南さんもだるまやさんご夫婦もすごくすごく心配してたんだよ」

「・・・・・・」

「最上・・・さん・・・?」

違和感。
目が覚めたら一番に飛んでくるだろうと思った謝罪の言葉。

それが、なかった。

涙を拭き取り視界をクリアにすると、見えたのは表情を消し去って自分を見つめる彼女の瞳。

「もが・・・」
「どうして・・・泣いてるの・・・?」
「え・・・?」

「悲しいことが、あった?」

表情を変えず、ただ、淡々と彼女が言った。


どうして・・・。

それは、俺のセリフだ。




「どういうことなんだろうな」
「わかりませんよ・・・」

彼女が目を覚ましたのは、あの夜から丸二日経った早朝だった。
社さんも琴南さんもみんなが交代するから俺は帰って休めという中、それでも俺は彼女のそばを離れたくなくて、反対を押し切って彼女についていた。
ベッドのそばに簡易椅子を置いて、彼女の顔を眺めていたはずなのに俺はいつの間にか眠っていたらしい。
熱もだいぶ下がって、表情も落ち着いてるのになかなか目を覚まさない彼女。
一秒だって離れたくなかった。
仕事を休むわけにもいかず、離れた昼間は気が気じゃなかった。
何かあったらどうしようと不安でたまらなかった。
だから、仕事じゃない時間は夜だろうと何だろうと離れたくなかったんだ。

彼女が目を覚ました時に感じたのは、嬉しさと愛しさだった。
でも、次に感じたのは違和感と・・・喪失感だった。

おかしいと思った瞬間に俺はナースコールを押した。
彼女が目を覚ましたことも伝えなければならなかったし、それよりも早く彼女を診て欲しかった。

急いでCTやMRI検査をしたけど、特に異常はなく。
検査の途中でやってきた社さんや社長、他のみんなも驚きと落胆と・・・心情は様々だった。

「おそらく心的ストレスによる一過性の記憶喪失でしょう。何か彼女の周りで変わったことはありませんでしたか?」
担当医はそう述べた。

彼女の周りで、そんなこと俺たちが知りたいくらいだ。

彼女は自分のことをあまり話さない。
いつだって他人のことばかりで、周りに迷惑がかかるからと自分のことは押し込める性質がある。
それは小さい頃からの忌まわしき処世術。
そうでなければいけなかった周りの環境。
だから、誰も知らない。

「・・・わかりません」

そう、答えるしかなかった。

「彼女と少し話をしましたが・・・彼女は自分の名前も出身も、何も覚えていませんでした」

ピンと空気が凍り付く。
「そんな・・・」と声を出したのは彼女の親友の琴南さん。
俺は声も上げられなかった。

「でも、それよりも私が疑問に思ったのは、彼女の名前を教えた時のことです」

「どういう・・・ことですかな?」
社長は強い瞳で医師を見つめた。

「彼女に、君は最上キョーコさんだよと言ったんです。すると、彼女は・・・」

「『最上・・・キョーコ・・・。知ってるわ・・・
世界で一番、役立たずな人間の名前・・・』
そう、言ったんです・・・」

「「「!!!」」」

「私はそこで、彼女に心的ストレスがあったと判断しました。詳しくは精神内科の医師に紹介して診てもらおうと思っていますが・・・。皆さん、本当に心当たりはないでしょうか?よく思い出してみてください」

役立たず・・・。
そんな・・・、どうして彼女はそんなこと―――!?

「おい、蓮。あの日、何があった?」
「あの日・・・?」
「パーティーの時だ。お前何か感じたんだろう?彼女が変だって」
「感じましたよ・・・でも、何かがおかしいとしか・・・」
「そうか・・・」

わからない。
何がどうしてそうなったなんて・・・。
いつだって頑張ってきた。
「私なんて」って自分を下げずむ言葉を聞くことは何度もあったけど、こんなふうに他人のように言うことなんて一度もなかった。
ましてや役立たずなんて・・・。

何を見落とした?
どうやったら彼女を取り戻せる?
疑問しか出てこなくて、それ以上に悲しくて。
いっそ、声を上げて泣いてしまいたかった。




コンコン。
「入るよ?」

病室のドアを開けると、ベッドに座ったまま窓の外を眺める彼女が目に入る。
俺たちが入ってきてもこっちを見ずに、外を眺める。

「何か、いいものが見える?」
「空が・・・きれい」
ポツリ、と彼女が声をこぼす。
「ああ、ほんとだね。今日はきれいな青空が広がってるね」
窓に近づき、空を見上げれば泣きたくなるくらいの綺麗な青。
空から視線をずらし、彼女の顔を見ると、やっぱり表情がなかった。

その顔には、きれいなものを見た時の彼女本来の色はなく。
無色透明。
その言葉が恐ろしくピッタリな気がした。

「もが・・・キョーコちゃん」
「・・・・・・」
「キョーコちゃん?」
「・・・私のこと?」
「うん、そうだね」
「どうしてその名前で呼ぶの?」
「君の名前だからね」
「・・・そう」

普段なら俺に対して絶対に使わない、敬語ではない会話。
それがいつもの彼女ではないことをひしひしと感じさせる。

「その名前が嫌い?」
「・・・」
「俺はね、好きなんだ。君のこの名前」
「・・・」
その言葉に、彼女の視線は空から俺へと移り変わる。
「ここにいるみんなもね、君の名前大好きなんだよ?」
「・・・」
そして今度は入口のそばに、部屋の中に入ってくる皆に視線が移る。

「キョーコ・・・」
「キョーコちゃん」

皆が彼女の名前を呼んだ。

君が否定したって、俺たちには君の名前は尊くて、大切で。
だから、彼女にもちゃんと受け止めてほしかった。
どういう理由で彼女があんなことを言ったのかはわからないけど。
これまでの彼女を全部否定してほしくはなかったんだ。


「あなたは、妖精さん?」
「え?」

唐突な言葉。
それは遠い遠い昔に彼女自身に聞かれたもの。

「キョーコちゃん?」

「あの人たちはみんなあなたのお友達?」

「友達・・・うん、そうだね。でも君の・・・」
君の友達でもあるんだよ?
そう言おうとしたのに、言えなかった。

「妖精さんはいつかいなくなってしまうのに・・・」
その言葉に俺の言おうとした言葉は遮断された。
「え?」
意味がよくわからなかった。
この子はいったい何を言っているんだろうか?

「みんな、きれい。妖精さんはみんなきれいね」
「キョーコちゃん?何を・・・」

無表情で、俺を見て、みんなを見て・・・。
意味の分からないことを話し出す。

嫌な汗が背中を伝う。

「キョーコちゃ・・・」
「妖精さんが好きなら、あげる」
「え?」
「その名前、あげる」
「キョ―・・・」


「そんな名前、いらない」

「そんな役立たずな名前、いらない」


だって、どうせ妖精さんは私のそばからすぐにいなくなるから。
いなくなったらその名前も消えるでしょう?


そう言った彼女。
口元だけ、笑ってた。




つづく




つづくのか・・・orz
ヒカリ | コメント(4) | トラックバック(0)
コメント
更新ありごとうございます
初めまして、コマド様の作品大好きです、特にヒカリはニグレクト等によるアイデンティティの不安定さを感じ考えさせられ気になる大好きな作品です。今回の更新を読み嬉しすぎてメールしてしまいました、ありがとうございます。何時何時までも待っていますので無理のない程度に続きをお願いします。お忙しいのに督促する様な事を書いてしまって済みません。呉々もお身体大切に。gennbu(PS、返事不要です)
待ってました!
この暗さがあるからこそのハッピーエンドだと思ってます!
今は辛いですが、頑張って(笑)読むので、頑張って更新お願いします←
これからも尻尾振ってお待ちしております(*^^*)
Re: 更新ありごとうございます
gennbu様
初めまして!コメントありがとうございます!!
喜んでいただけて感無量でございますよv
休みがちゃんと休みでない日々が続いておりまして、なかなか創作できず更新できずで申し訳ありません><
できるだけ早く次を読んでいただけるようにがんばりますね^^
gennbuさんも風邪など引かれませんよう、お気を付けください。
本当にうれしかったです!ありがとうございましたvvvv
Re: 待ってました!
ミチ様
コメントありがとうございます!
暗いですよねー、ええ、もう本当に暗いですよねー(^^;)
でも、私、こういうの大好物なんです←
ハピエンですので、今を頑張って乗り越えて最後までお付き合いをよろしくお願いします(笑)
ぜひぜひ、また感想聞かせてくださいませ!
お待ちしておりますvv

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