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ヒカリ 3

2013/05/23 Thu 17:50

お待たせしました><(もう忘れられていますよね・・・orz)
やっとやっと書き上げました。
もうすぐ私の生活に嵐がやってきます。

魔の6月!7月!
その前になんとかUPできてよかったあ(;;)

今回も暗い話ですが、よろしければどうぞ^^










誕生日おめでとう。
17歳の誕生日から、毎年嬉しくて仕方がない言葉だった。

なのに、今年は。

その言葉さえ残酷に私の心を引き裂いた。



ヒカリ 3





おめでとうとたくさんの人に言われた。
そのたびに「ありがとうございます」と笑って返した。

そのたびに、胸が痛くて息が苦しくなって。

逃げ出したかった。


「キョーコさん、後の片付けはいいですのでゆっくりされてください」
パーティの後、自分の中の黒い感情をやり過ごしたくて後片付けを買って出たのだけど、それはやんわりと断られてしまった。
私の誕生日だからという心配りなのだろうけど、私が主催なのに・・・と申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

この場から逃げ出したいのに、他の人たちが働いてくれているのに自分だけが帰ってしまうことが心苦しかった。

よく考えれば・・・12月24日って大切な日なのよね。
ここで働いてくれた人たちにも、今日一緒に過ごしたい人がいるのにそれを断ってここにいてくれてる。
はじめはマリアちゃんのためだった。
それがいつの間にか自分の為の日になってしまったような気がする。

誕生日を誰かとともに迎えられる日。
自分だけが楽しい思いをしてしまった。

「今年で最後にしないとね・・・」
ゲストが帰ってしまった後の迎賓館の廊下は、ほとんど人通りがなく、私の言葉は静かに消えた。

ふと窓の外を見てみると、そこにはチラチラと舞う白い光。
「あ・・・雪・・・」
ライトアップされたテラスに出てみると、雪が頬に触れた。
冷たい、と思った瞬間に消えてなくなる。

天気予報でクリスマス寒波とか言ってたな・・・なんて思いながら、テラスのベンチに座って空を眺めた。
真っ黒な空から次々と降る雪は、私の顔や腕や・・・身体全身に降りかかる。

でも、不思議と寒いと感じなかった。

ずっと眺めていたいと思った。

白い雪と、白い息が重なる。

私、どうしてここにいるんだろう?

目を閉じると浮かぶのはあの人の顔、あの人の言葉。
あの人の笑顔が見たくて頑張ってきた。
あの人に認めてもらいたくて頑張ってきた。
あの人をココロのどこかに追いやりながらも、やっぱりあの人の存在を探していた。

どうか自慢の娘だと言って。
どうか私の母親でよかったと言って。

どうか・・・


―――私とあなたの親子関係は今日で終わり。残念ながら戸籍上は親子のままだけど。

笑って欲しくて、私という存在を認めて欲しくて、頑張って生きてきた。
頑張った。
けど、足りなかったのかな。

あと何を頑張ったらよかったのかな。

ショータローの戯言を無視して、あのまま京都に残ってたらお母さんは認めてくれた?
旅館のお手伝いを今でもやっていたら、お母さんは笑ってくれた?

キョーコは頑張ったねって、迎えに来てくれた?

「ふ・・・違うわ・・・」

うん、違う。そうじゃない。

わかってる。

はじめからいらないのよ。

最上キョーコという人間は。

いらない子。

最上キョーコはいらない子。
こんな子、誰もいらない。

だったら



私だっていらない。



最上キョーコなんて人間。



消えてしまえばいいわ・・・





「バイバイ」


目を閉じると、心がとても軽くなった気がした。




***



「最上さん!!最上さん!!!」

嫌だ!!嫌だ嫌だ嫌だ!!!

冷たい身体。
どんなに揺さぶっても開かない瞳。

どうして!?
どうしてこんなことになってるんだ!?

たくさんの毛布で彼女の体を包んで、その上から抱きしめる。

頬を合わせると、ぞっとするほど冷たくて。

ただ、かすかな呼吸が彼女が生きていることを感じさせてくれる。
でもとても弱くて、すぐに消えてしまいそうで。

「なんで・・・!」

なんでこんなことになってるんだ!?
彼女の様子が変なことは気づいていた。
でも笑っていたじゃないか。
さっきまで「大丈夫です」って笑ってたじゃないか!!

お願いだからいなくならないでくれ!!!

「蓮!救急車が来た!最上君をつれていくぞ!!」
「!っはい!!」








気づいたのは偶然だった。

パーティが終わってからも会場を離れようとしない彼女。
「私はもう少し片づけを手伝ってきます。敦賀さんはゲストなんですから帰って休まれてください」
「でも君も今日は主役だろう?」
「いえ!これはグレイトフルパーティで、私の誕生日はあくまでもおまけです!あ、皆さん敦賀さんをお待ちみたいですよ?」
「え・・・?」

彼女の声に振り返ってみると、パーティに参加していたモデルや役者の女性たちが数人、会場の入口のところでこちらを見ていた。
もちろん俺はその女性たちには興味はなかった。
「もが「敦賀さん、今日は来ていただいてうれしかったです。ありがとうございました」
俺の言葉を遮って、君は俺を他の女性のところに簡単に追いやる。

「では、私は後片付けがありますので」
「・・・」
ぺこり、といつものようにきれいなお辞儀をして背中を向けていく。

「っ最上さん!」
去っていく細腕を掴み、彼女を引きとめた。
「一人で帰らないで、待ってて」
「!!敦賀さ・・・!」
「いいね。絶対だからね」
「あ・・・」

今度は彼女の言葉を待たずに、その場所を離れた。
入口に待つ女性たちを適当にあしらうために。


あの時、本当に彼女を一人にしたくなんてなかった。
今思えば虫の知らせってやつだろうか。
無性に不安が募ったんだ。


女性たちを帰らせるために思った以上に時間がかかって、やっとのことで会場に戻ると、そこには彼女はいなかった。
ちょうどそこにいた従業員に彼女のことを聞くと、彼女には上がってもらった、と言われた。
彼らも今日の主役だから、と彼女を労ったらしい。

礼儀正しい彼女のことだから、先輩の言葉を無視するとは思えない。
だからきっとどこかにいるんだろうが、この広い迎賓館のなかではなかなか見つからない。
携帯を鳴らしてみるが、それもつながらない。

「クソ!」
思わず出てしまう苛立ちの言葉は、彼女を見つけられない自分を更に苛立たせた。

もう一度戻ってみようと振り返った時、視界をかすめたのはチラチラと降る白い雪。

バルコニーに出ると身を突き刺すような寒さ。
「クリスマス寒波、とか言ってたな」
早く彼女を見つけないと、積もったら帰れなくなる・・・
そう思って2階のバルコニーから庭を見た。

「!!!!!」

「え・・・どうして・・・!?」

2階から見えたのはライトアップされた庭園。

そして


ベンチに横たわる彼女の姿だった。









「もう少し発見が遅かったら危なかったって」

病院のベッドに横たわる彼女。
あんなに冷たかったけど、どうにか体温が戻ってきて、今は逆に発熱している状態。
それでも、赤みがさす頬に少なくとも安堵を覚える。

「寒いところにいたから肺炎になりかけてるみたいで、それによる発熱だってさ」
社さんが俺の肩に手を置き、静かに話しかける。

「おまえがちゃんと見つけてくれたからだ。よかったな」
「・・・・・・」

よかった?
でもあの時俺が傍を離れなければこんなことにはならなかったのに?
彼女をひとりにしなければこんなことにはならなかったのに?

「やしろさ・・・俺・・・どうしてもっと早く彼女を見つけられなかったんでしょうか・・・」
「蓮・・・」
「どうしてこんなふうになったんでしょうか・・・」
「・・・」
「気づいてたのに、彼女がいつもと違うって気づいてたのに・・・!」

彼女の熱い手をぎゅっと握りしめて自分の額に当てる。
「俺が・・・」

「蓮が見つけなかったら彼女は今生きていないよ」
「!!」
「でも、おまえはちゃんとキョーコちゃんを見つけただろう?それ以上もそれ以下も今はないよ」
「でも!!」
「現にキョーコちゃんはちゃんとここにいる。それでいいんだよ」
「・・・っ」

「よかったな」

“よかった”
今度はその言葉がストンと入ってきた。

彼女がちゃんとここにいる。

それだけで・・・

「はい・・・」


怖かったんだ。
彼女がいなくなることが怖くてたまらなかった。

この熱さは生きている証。

「はい・・・」

涙が出た。



「はやく、起きて。そしたら君を怒らなきゃ。死ぬところだったって、怒らなきゃ・・・」
「そうだな!うんときつくキョーコちゃんを叱らないと!」
「はい」




この時俺は、目覚めた君が俺や社さんやみんなに怒られて土下座せんばかりに謝り倒す、そんないつもと変わらない時間が来ることを。

なんの疑いもなく思い浮かべていた。


つづく




コメント頂けるととても喜びます。(図々しい?ええ、わかってますとも)
ヒカリ | コメント(4) | トラックバック(0)
コメント
こんにちは
こまど様はじめまして
はじめてコメントさせたいただきます
更新とてもうれしかったんです
こまど様のお話は大好きです!
蓮さんの闇って、その姿形、生い立ちにふさわしく、ある意味派手、ドラマチックな闇で、クローズアップされますよね。
それに比べたら、キョーコちゃんの闇は何となくありがちな感じで、そんなことくらいで‥みたいな扱い。
だからよそのお話では変なオリキャラとか出てきてキョーコちゃん嫉妬、恋愛感情に気づき、愛を取り戻す、みたいな話が多く?、?でした。
彼女はネグレクトを受けた深く複雑な闇を持っているのだと思います。
そんなキョーコちゃんが、健気に頑張るから応援したくなる。
キョーコちゃんをあおる変なライバルなんて正直いらない!と思ってます(ちょっと極端でしょうか?)
こまど様のお話は、キョーコちゃんの気持ちが痛いほど伝わってきて泣けてきます。
蓮さんがキョーコちゃん一筋なのもツボです(笑)
これからも、こまど様のペースで無理なく頑張って下さいね
楽しみにしています
待ってました☆
更新ありがとうございます!
しつこく覗いていた甲斐がありました(笑
こまどさんの作品大好きです!
『ヒカリ』もドン底に落ちたキョコちゃんを蓮様がどのように救ってくれるのか…わくわく(^^)
過去作品を読みながらのんびりお待ちしておりますので、これからも無理でない程度での更新楽しみにしています☆
Re: こんにちは
そらまみ様♪

はじめまして!コメントありがとうございます!
お返事が遅くなって申し訳ございません><
大好きと言ってもらえてとてもうれしいですvv
お話の内容の好き嫌いは個人差がありますのでなんとも言えないのですが、受け入れることができるお話を楽しめればいいと思います^^
二次創作の場所なので、それはそれでいいと思うんです。
私は雑食傾向なので、面白いと思ったらなんでもこーい!だったりします。
もしかしたら、今後私の作るお話も受け入れられない!というものが出てくるかもしれませんが、そこはまあ、スルーしていただいて結構ですので(汗
でもこうやってコメントを頂けてうれしい限りですよ!ありがとうございます!
感想がもらえるって書き手は本当にうれしいものなのですvv
のんびり更新はこれからも続くと思うのですが、どうぞよろしくお願いします!
そしていつでも感想お待ちしております!!
Re: 待ってました☆
ミチ様♪

しつこく覗いてくださってありがとうございまーーーーーーーっす!!(涙)
もう、嬉しい!嬉しい!!!うれしいいいいい!!!!
『ヒカリ』暗いですよね!
根が暗いもので、暗いお話ばかり長編になります。
暗いのが長く、そして更新も遅いという負のループ。うふふふふ。
過去作品、なかなか文章的にやばいのも多いと思いますが楽しんでいただければ幸いです。
コメント、本当にうれしいです。
ありがとうございます!
そして、次回もコメントお待ちしております←

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