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いくとしくるとし

2012/01/02 Mon 12:45

本当は大晦日とか正月とかにUPしたかったんだけどさ!
なにせ今できあがったもので。

いちおう、年末年始のおはなしでございます。

よろしければお読みくださいませm(__)m

短編でございます。









いくとしくるとし




「つるがさん!おかえりなさい~~~!」
「うわ!ただいま・・・って・・・キョーコ・・・お酒飲んだ?」
「のんでませんよー。それよりぃ、ちゅーしてくださぁい」
「・・・飲んでるじゃないか・・・。はいはい、ちゅー」

明らかに酔っ払っているキョーコの出迎えとキスのおねだりに、俺が嫌がるはずもなく彼女の可愛らしい唇にちゅ、とキスを落とす。
「えへへー」
機嫌よくそのまま抱きついてきたキョーコを抱き上げてリビングに行くと、テーブルの上にはジュースの空き缶がひとつ。
「・・・アルコール4%・・・」
キョーコが好きそうな甘いカクテル。
口当たりがいいからジュースと思って一気に飲み干したな・・・。

20歳の誕生日に酒を口にしたときは陽気に笑ってはいたけど、少しずつゆっくりと味わっていたからこんなふうに甘えたになることはなかったのに・・・。

「キョーコ。空腹にお酒の一気飲みはしちゃだめだよ?」
「むー。わたし、おさけなんてのんでませんってば~!」
俺の腕に乗ったまま、俺の肩を掴んで拗ねるように揺らす。
お酒によって潤んだ瞳が、赤いホッペがたまらなく可愛い。
「はいはい、そうだったね。ジュースだった。でもご飯前にジュース飲んじゃったらお腹いっぱいになるだろう?」
「だいじょうぶです!おそばくらいはいりますから!わたしのおなかはつるがさんのこわれたおなかとはちがうんです!」
「壊れたって・・・」
終始ご機嫌でにこにこと毒を吐いてくれる・・・。

「つるがさん!おろしてください!おそばたべましょう。おそば!としこしそばですよ!」
「そうだね」
キョーコを下ろすと、そのままキッチンに向かって鼻歌なんて歌いながら蕎麦をよそっている。
酔っ払っていても彼女にとって料理をすることは特に問題はなかったのだろう。
現にとてもいいにおいがしている。

「ほら、キョーコ。俺が運ぶから。君は先に座ってて?」
「いーえ!つるがさんこそすわっていてください!おつかれなんですから!」
「大丈夫だよ。これくらい。君は料理を作ってくれたんだから、このくらい俺にさせて?」
それにそんなフラフラな足取りで、もしも蕎麦をこぼして綺麗な肌に火傷なんて作られたら困るんだよ。まあ、俺は君をもらうつもりだから傷があっても全然いいんだけどね?

「じゃあおねがいします!わたしはおちゃをじゅんびしますね!」
「待って!それも俺がするから!そうだな、キョーコはこの薬味を持っていって」
「むー。なんですか?どうしたんですか?」
「今熱いものは持っちゃダメ」
「いみがわかりません!」
「俺がわかってるから大丈夫」
「??そうですか?」
「うん。ほら、これ持っていって?」
キョーコに薬味の入った皿を渡すと、酔っ払っているからか、さほど疑問を深く追求することなく皿を受け取ってくれた。

あったかい蕎麦をテーブルに置いて、日本茶を入れると、そこは一気に和の雰囲気になった。
んー・・・これが和室ならもっとよかったのになあ・・・。

「ねえ、キョーコ?」
「はい?」
「和室、作ろうかと思うんだけど。どう思う?」
「いいんじゃないですか?わしつにおこたですね!ぬくぬくですよ!それにはんてんがあればかんぺきです!」
「はんてん・・・?」
何だろう?
なじみのない、その言葉に疑問を覚える。
まだまだ知らない日本語がたくさんあるな・・・なんて思っていたら、キョーコが手をパンッと鳴らした。
そしてそのまま手を合わせて「いただきます!」と元気に言う。
「うん、いただきます」
俺も手を合わせて、これを作ってくれた彼女と、俺に食べられてくれる食物に敬意をはらう。
温かくてじんわりと身体に染み込むような優しい味のお蕎麦。

「おいしいね」
そう言えば、彼女は幸せそうに笑ってくれる。
「こうやって君と過ごせてすごく嬉しいよ」
「わたしもです!」

付き合って初めての大晦日。
つい最近、キョーコの誕生日を2人で祝うことができて。
今年は彼女のたくさんの初めてを俺がもらうことができた。
それでも、もっともっと俺と彼女だけの時間が欲しい。
どこまでも湧き出てくる貪欲さは、彼女にしか沸かない感情。
そんな感情に呆れはするものの、嫌悪感なんて微塵もなくて、むしろ誇りにすら思う。
誰かに執着することができるようになった、なんて人間らしい感情。
誰かを好きになって、愛し合える。
苦しかったり切なかったりするけれど、それすらも愛おしい。
知らなかった感情を君は俺にくれる。

「ごちそうさまでした」
つゆまで全部飲みきると、身体は温まる以上に暑ささえ感じるほど。
それでも俺はキョーコのぬくもりを求めてしまうらしい。

対面に座っているキョーコの後ろに移動して、キョーコの身体を自分の足の間に納める。
後ろからおなかに腕を回してきゅっと抱き寄せると、キョーコも俺の腕に手を置き、胸に体重を預けてくれる。

「つるがさんはあまえたさんですねぇ」

クスクスと笑いながら、いい子いい子と俺の頭を撫でる。
子ども扱いはあんまり嬉しくないけど、頭を優しく撫でてくれるその手が気持ちよくて、俺はキョーコの頬に自分の頬を寄せた。
しなやかでスベスベの肌と彼女の甘い香りが疲れた心と身体を癒してくれる。

こんなに愛おしいもの、絶対に手放せないな・・・。

いっそ、このまま時間が止まってしまったらいいのに・・・。そしたらこのかわいい生き物を腕の中に閉じ込めたままでいられるのに・・・。

「あ、そうだ。つるがさん!わたしおさけをかってきたんですよ。かんぱいしませんか?」
「いいけど・・・キョーコ、まだ飲めるの?」
「?わたしきょうはまだおさけのんでませんよ?」
「・・・そうだったね・・・」
持ってきますね!ってあっさりと俺の腕の中を抜け出してキッチンに向かっていく。
急に寂しくなった腕の中は、暖房も効いているというのに肌寒い感じがする。
はやく戻ってきて欲しい・・・。
彼女が言うように、俺はとことん甘えたになったらしい。

グラスとシャンパンを持ってきて俺の横に座ろうとするキョーコを、そこじゃないと自分の足の間に座らせる。
いつもなら渋々・・・という感じで座るけど、ほろ酔いの彼女は素直に納まってくれた。

開けてください、とシャンパンを俺に渡して自分はにこにことグラスを両手に持って、俺に注がれるのを待っている。
彼女の持つグラスにシャンパンを注ぐと、はい、とグラスを渡された。

「つるがさん、ことしもおせわになりました。らいねんもよろしくおねがいします」
「こちらこそお世話になりました。来年も・・・」
「つるがさん?」
言葉を途中で切った俺を、キョーコが不安そうに覗き込んできた。
至近距離の上目遣い・・・無意識に俺を煽ってくれる。

来年もよろしく。
もちろんそれも言いたいけど・・・。

「キョーコ」
「はい?」
「来年は和室を作るから、おこたで俺と一緒にまったりと過ごしてくれる?」
「いいですよ?」
「じゃあ、一緒に暮らしてくれる?」
「いいですよ?」
「じゃあ、結婚してくれる?」
「いいですよ?」
「来年もよろしくお願いします」
「はい!おねがいします!」
「乾杯」
「かんぱーい!」

カチンとグラス同士の音がして、キョーコは機嫌よくシャンパンを口にした。

コロコロと機嫌よく笑っているキョーコは、今の俺の言葉を深くは考えていないんだろうけど。

でも言質とったからね?
俺と来年結婚してくれるって言ったからね?

「つるがさん!ちゅーしましょう!ちゅー」
「今日は積極的だね」

ちゅ、ちゅ、とバードキスを繰り返して、そしてそれをどんどん深いものにしていく。

「ん、ふう・・・んん・・・」

キョーコの甘い声を聞きながら、もっと舌を絡ませていく。
煽ったのは君。
仕掛けたのも君。

服の下に忍ばせた手で、キョーコの滑らかな肌を味わう。

「キョーコ、俺が居るとき以外でお酒飲んじゃダメだよ?」
「ん、ん?どうして・・・ですかぁ・・・?」
「キスは俺にしかねだっちゃダメだからね?」
「きすはつるがさんにしかしませんよぉ~」
そう言って、今度は自分から俺にキスをくれる。
わざと後ろに転がってみれば、キョーコは覆いかぶさるカタチでキスをくれた。

ああ、もう・・・愛しすぎるだろう・・・?

「キョーコ・・・ベッドに行こうか」
「んん、はい・・・」

寝室のベッドにキョーコを沈めて、覆いかぶさる。
愛しくてたまらなくて、彼女を貪った。



何度達したかわからないくらいお互いを貪った後、時計を見るととっくに新年を迎えていた。
くったりと眠りについているキョーコの額にキスを落とす。

どうかどうか、今年も君の笑顔がたくさん見れますように。
君が幸せだと感じてくれますように。
君の世界が優しいもので溢れていますように。

「今年も、よろしくね?」

絶対俺が護るから。
だから俺のそばに居て。

ずっとずっとそばに居て。

目が覚めたら、もう一度ちゃんと君にプロポーズするよ。

今年だけじゃなく、これからもずっとずっと永遠に。

「キョーコ。これからも、よろしく、ね?」
可愛い可愛い俺の眠り姫の赤い唇に優しくキスをした。

もう来年になったことだし、朝が来たら区役所に婚姻届を貰いに行こうか。
ああ・・・そうだ、俺の前以外で酒を飲まないように注意もしなきゃ。
酔った君もキスを強請る君も、全部俺だけのものなんだから。

新しい年、膨らむ期待で胸をいっぱいにしながら、キョーコを抱き寄せて俺も眠りについた。



A.Happy New Year!!


End





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