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好き。嫌い、好き。の前編に多くの拍手・コメントをありがとうございます!!!

今回は中編。・・・・・・ん?中編・・・・???
いや、本当は前後編になる予定・・・ってか本来は1本で終わる予定だったんだ!!!
なぜ私は短くまとめることができないのだろう。
ってことで中編です。
次の後編でちゃんと終わらせることができるのか甚だ疑問!!!

では、中編。どぞ。







天国から地獄なんて本当に一瞬だ。



好き。嫌い、好き。(中編)



それはとても偶然だった。
テレビ局でバラエティトーク番組に出演した後、お茶でも買おうと自販機に向かっているときだった。
もうすぐ自販機というところでボソボソと声が聞こえた。
先客かなと思って影からそうっと自販機のほうを覗き込むと、そこには告白しようと決意した相手、敦賀さんがいた。
次に会ったら告白しようと思っていたけれど、そこにいたのは敦賀さんだけでなく、社さんも一緒。
わざわざ敦賀さんだけを呼び出すのもなんとなく気恥ずかしいし、この後仕事で急ぐかもしれない。
ほんのひとときの休憩時間かもしれない今を、私なんかが邪魔していいものかと、躊躇してしまった。
ドキドキと高鳴る鼓動に緊張がさらに高まる。

もしかして、あのときの敦賀さんもこんな気持ちだったのかしら?
・・・・いや、私相手にドキドキなんてきっとしないわね・・・。
だって敦賀さんだもの。

行くべきかこのまま帰るべきか悶々と悩んでいると、敦賀さんの声がさっきよりもしっかりと聞こえてきた。

「もう、いい加減イライラしますよね」
え?イライラ?
「なんだよそれ。もしかしてキョーコちゃんのことか?」
「もしかしなくても、そうですよ」

・・・ん?
私のこと?
私、敦賀さんをイライラさせていたってこと?
私…何か敦賀さんに対して失礼なことをしてしまっていた・・・?

「お前、それはひどいんじゃないか?大体お前がしっかりはっきりキョーコちゃんに自分の気持ちを伝えないのが悪いんだろ。それをそんな風に・・・」
「伝えましたよ。俺は」
「え?そうなの?」
「・・・もう、さっさと落ちてくれればいいのに・・・」

落ちる・・・?
私に対してイライラしてる?

それは敦賀さんにとって私はイライラの元凶で、いっそ芸能界から脱落してしまえばいいってこと?
え・・・?どうして・・・?
だって敦賀さん・・・私のこと・・・・好きだって・・・。

先輩としてではなく、男として私を好きだって・・・。
真剣に考えて、返事がほしいって・・・。

全部・・・私の思い違いだったの?

ガコンと缶をゴミ箱に捨てる音がして、2人の足音がだんだんと遠ざかっていく。
その音にほっとして、いつのまにかその場に座り込んでいた。
冷たくて硬い床が、私に現実を感じさせてくれているような気がした。

「・・・帰らなくちゃ・・・・。明日も・・・仕事だもの・・・」
なんとか立ってみたけど、なんだか自分の体が言うことを聞いてくれなくて、なかなかまっすぐ歩いてくれない。
何度肩が壁にぶつかっただろう。
でもそんなこともうどうでもよくて、ただ早く自分の部屋に帰りたかった。
早く布団の中に入ってしまいたかった。

あの言葉も、あの笑顔もきっと全部夢の中の出来事で、次に目覚めるときは現実の世界がそこにあるはずなんだ。
目が覚めたらちゃんと現実をみよう。
二度と甘い夢なんか見ないように、私は敦賀さんに嫌われているんだという現実をきちんと受け止めよう。

眠れるはずもない夜に、私はコーンを握り締めて、ただ・・・自分に言い聞かせた。



***



「キョーコ?どうしたの、あんた。すっごいクマができてるわよ」
「へい?あ・・・モー子さんだ~」
「なによ!その気の抜けた返事は!しゃきっとしなさい!しゃきっと!!仮にも芸能人なんだから!」
「ここにはモー子さんしかいないんだからいいじゃない~~~」
「見てるだけでイライラするのよ!まったく!!」
「!!!!」

見てるだけで・・・・イライラする・・・。
モー子さんも・・・イライラするの・・・?

「ご、ごめんなさい・・・。私・・・ここにいないほうがいいね・・・。ちょっと顔を洗ってくる・・・」
「は?ちょっと、キョーコ!?」
「大丈夫・・・うん・・・大丈夫・・・・」
「何が大丈夫なのよ!?あんた変よ!?」
「変?」
「そうよ!!相当変よ!!」
「ああ、私変わってるのかなあ・・・?」
「いや、そうじゃなくて!ちょっと座りなさい!!」
「え・・・?でも・・・」
「いいから座んなさい!!!!」
私の顔、あんまり見たくないかもって思ってここから離れようとしたのに、モー子さんは私の腕をぐっと掴んでそのまま椅子に座らせた。
「何かあったの?」
真剣な目で綺麗な顔なのに眉間にしわを寄せてまっすぐに私を見ていた。

「何か・・・?ううん、何でもないよ?」
「うそでしょ。何かないとあんたがこんな状態なわけないじゃない」
「・・・本当に・・・何もないよ・・・?」
「うそよ」
「うそじゃないよ・・・」
だって、本当に何があったわけじゃない。
敦賀さんは私のことをきっとはじめから嫌いなだけで。
そんな中、私は一人で勘違いしていただけ。
もしかして、自分が思っているほど敦賀さんに嫌われてはいないんじゃないかって勝手に錯覚して。
挙句の果てに敦賀さんからのあの言葉をまんまと信じて。
敦賀さんが私のことを好きだって思い上がって。

全部ただの私の勘違い。
優しい声も優しい笑顔も。
私と一緒に過ごしたいって言ってくれたことも私の料理を食べたいって言ってくれたことも、全部全部私の想いが幻聴となって現れたものだったんだ。

「馬鹿だね・・・私・・・」
「・・・キョーコ・・・?」
「本当に、大馬鹿・・・」
「・・・あんた・・・何言って・・・」

目の前のモー子さんが揺らいで見えた。
ポタポタっと机に響いた音で自分が泣いていることに気づいた。

今までいろんな人に嫌われてきたけど、こんなに苦しかったことなんてなかったかもしれない。
心のどこかで敦賀さんならって期待してた。

―――私のことを好きになってくれる人なんかいるわけないってわかってたのに。

「キョーコ・・・。もしかして、敦賀さんとなにかあった・・・?」
え・・・?
「どうして・・・敦賀さんなの・・・?」
「それは・・・なんとなくだけど・・・」
どうして、わかったんだろう?
私、そんなに敦賀さんのこと見ていたんだろうか。
はっきりと自覚したのはあの夜のはずなのに。

「ううん。敦賀さんとは何もないよ。・・・っていうか・・・本当に何もないの。ただ、夢見がわるかっただけ」
流れる涙を指で拭き取り、大丈夫だよってモー子さんに笑顔を作って見せた。
「あんたねえ・・・」
モー子さんは私の作り笑いなんか全く信用してないって顔をしたけど、溜め息混じりに「まあいいわ」と言ってくれた。
「ちゃんと落ち着いたら話なさいよね!私はあんたの味方でいてあげるから!」
びしっと言ってくれたその言葉が、とてもとても嬉しかった。


***


『仕事お疲れ様。今は何の仕事をしているのかな?』 
バイブレーションを感じ、何気なく開けてみた携帯電話には今一番見たくない人の名前と文章。

「・・・嫌いな人間にもこんなふうに気を使ってくれるんだ・・・」
この文章は、一体どういう風に読み取ればいいんだろう。
大人の世界には社交辞令というものが飛び交っていて、言葉と同じ意味をもつとは限らない。
いい意味の言葉だと思っていても、実際は嫌味だったということも少なくない。

あの言葉たちも、本当はどういう意味で伝えられたものだったのだろう。
私は子供で、そういう大人同士の言葉が理解できない。
好きという言葉はどういう風に変換すれば正しいの?
一緒に過ごすってどういう意味?
私はどう答えたら正解なんだろう。

これ以上敦賀さんに嫌われたくないから、いちばん正しい答えを導き出さないといけないのに、それがわからない。
きっとどんな教科書にも載っていない。
いつだって行き詰ったときは敦賀さんに頼ってしまっていた。

「きっと・・・それが迷惑だったんだなあ・・・」
芸能界からいなくなってほしいと思うくらい嫌われてしまった今、これ以上嫌われることなんて本当はないのかもしれない。

真夜中に勝手に敦賀さんを待っていたこともあった。そのうえ疲れているのにモデルの歩き方まで教えてもらった。
数え上げればきりがないくらい私はいつのまにか敦賀さんに依存してしまっていた。

もっと考えればよかった。
人の気持ちというものを。
そしたらこんなふうに敦賀さんに嫌な思いをさせることもなかった。
必要以上にイライラさせることもなかったのに。

「それなら・・・直接言ってくれたらよかったのに・・・」

―――大体お前がしっかりはっきりキョーコちゃんに自分の気持ちを伝えないのが悪いんだろ。

社さんは敦賀さんの気持ち、知っていたんだ・・・。
社さんも敦賀さんも・・・人が悪いなあ・・・。
嫌いなら嫌いってはっきり言ってくれなくちゃわからないじゃない。

「馬鹿なんだから・・・わからないのに・・・」


結局その日、私は正解をみつけることができなくて、敦賀さんのメールへの返事をすることができなかった。


***


「・・・え・・・?敦賀さんと・・・共演・・・?」
「そうなんだよ。CMなんだけどね、なんでもこの前君が出たスペシャルドラマがあっただろう?それを見て是非君を使ってみたいっていうことでね。どうだい?」
夕方に椹さんから突然呼び出しを受けて事務所に向かうと、そこに待っていたのは敦賀さんとのCM共演の話だった。
「まあ、どうだい?って聞いてるけど、実はもう契約しちゃったんだけどね!」
「ええ!?」
「ええって・・・嬉しくないの?蓮との共演だよ?注目度アップだよ?」
嬉しいわけがないじゃないですか!!
私が敦賀さんの視界に入るだけで気分を害してしまう。
できれば私のことを見てもイラつかなくなるくらいまで距離を置きたいのに!
仕事のときは私情を挟む人ではないとわかってはいるけど、そのほかの待ち時間とかどんな顔をしていたらいいんですか!
なにか敦賀さんに言われたら、私はどう反応したらいいんですか!!!
「さっき松島さんから蓮にもこの話をしてもらったんだけど、蓮は君との共演を喜んでたって言ってたよ?」
「・・・・・・はあ・・・」
・・・そんなわけ、ないじゃないですか・・・。
椹さんも松島主任も騙されているんですよ・・・。
「このCMにはLMEもばばーんとバックアップするんだからよろしくね!いいもの作り上げてきてくれ!」
「・・・は・・・い・・・」
最高潮の笑顔を振りまき、椹さんは自分のデスクに戻っていった。

―――蓮は君との共演を喜んでた

「・・・うそばっかり・・・」
嫌いなくせに。
私なんか嫌いなくせに・・・。
存在しているだけで、イライラするくせに。

「ここまで嫌われているとは思わなかったなあ・・・」
さすが芸能界トップの俳優。
こんな素人、簡単に騙せるはずだわ。
もういっそ・・・本当に芸能界をやめてしまえばこんな思いをすることはなくなるのだろうか。
こんな惨めな思いをすることはなくなるのだろうか。

神様、これは罰ですか?
二度と恋なんかしないって決めたのに、敦賀さんを好きになってしまったことへの罰ですか?
じゃあ、もう好きだなんて感情捨てるから・・・。
お願い。
あの人から先輩後輩という関係まで取り上げないで・・・。

じゃないと、私はもう立ち上がれない。

コーンの入ったバックを抱きしめて、目を閉じた。


つづく




ぬおおおおおおおお!!!
暗い!!暗いぜ!!こんちきしょーーー!!!
(コマドさん、クチが悪いです)
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