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お見合い夜話 2

2010/07/13 Tue 10:00

きっと皆様、第1話の続きが気になっていることでしょうv
多くは語りません!
本日は第2話をUPさせていただきますよーーー!!!

では、続きからどうぞーーv



『お見合い夜話』(2)




「……………」


タクシーを下りて、10分が経過した。
私は今、広い宝田邸の門の前にいる。
外からでも分かるきらびやかな邸宅。
花々が咲き誇る庭。

インターフォンを鳴らす事が戸惑われて、私は一人立ち尽くしていた。

「………もう……敦賀さん、お見合いをしてるのかしら?」

力なく呟いて、苦しさで胸を押さえる。
どうか間に合いますように…………。

ぎゅっ、と閉じた私の瞳に、敦賀さんの顔が浮かぶ。
あの日……告白をされた日の最後…逃げ出す直前に垣間見た敦賀さんの悲しそうな顔。

私が傷つけた…………。

そう思うと再び罪悪感が蘇って来た。
そして、どんどん冷静になっていく頭で、自分のしようとしている事に意識が移り始めた。

あんなに酷い事をしておいて今更どの面下げて、敦賀さんに会うつもり?

……今ここで私がインターフォンを押して……中に入れて貰えるの?
今更敦賀さんに会いたいからとこんな所まで来るなんて、身勝手にも程があるんじゃないの?

私が乗り込んで……それで誰が喜ぶの?
敦賀さんだって、もう私に会いたいはずがないわ…………。
せっかくのお見合いを邪魔しようなんて…………。

「……私の我が儘でご迷惑をかける事になってしまう………?」

急に自分の身勝手さが恥ずかしくなって、嫌気がさしてきた。

私に出来る事は、もう何もせずにここを立ち去るだけ?

それが、新しい出会いを求める敦賀さんへのせめてもの償いになるはず……。

物事には、二度と取り返せないタイミングがあるのだと分かった気がした。


「最上様…?」

ふらふらと宝田邸を後にしようとすると、夜に溶け込むような静かな声が辺りに響いた。

振り向くとそこには、エキゾチックな出で立ちの社長のお付きの人が凛とした姿で立っていた。

数秒、見つめ合う。

「…………!!!」

私は事態を認識した瞬間、心の中で絶叫した。

見つかっちゃったぁぁぁあ!!!!
敦賀さん会いたさにコ、コソコソこんな所まで来てしまったのがバレちゃうわよぉ!!!

こんな夜に理由もなく門前でうろうろしてるなんて、絶対不審者だと思われてるわ………!!!!

「最上様」

ビクゥ!
名前を呼ばれて肩が揺れた。

「失礼ですが、どう言ったご用件でしょう?」
「う、わ……あ、あの………その……っ」
「社長とお約束でも?」
「え!!いえ!!ちょっと…あの敦賀さんに…あわわ!!!」
「敦賀様……?」

きゃああああ!!!
テンパる余り、1番言ってはいけない事を!!!

慌てる私を見て、お付きの彼は少し微笑んだように見えた。

え………?

「最上様、どうぞ中へ。ご案内致します」

え!!!!!????

重厚な門が自動で左右に開き、私は邸内へと招かれた。

え、え????
どうしよう…………。
入れて貰えるって事は、敦賀さんはもう中にいるのよね??
ってそれなら尚更私を入れては駄目なんじゃ???

「どうぞ」

有無を言わせない声。
彼らしくない強引さで、促されて戸惑った。

「………あの…」
「最上様、こちらです」

あまり考える暇もないままに私はお付きの人に案内されて豪勢な邸宅の中へと足を踏み入れた。

歩き心地のいい絨毯。
壁には美術館を思わせる、幾重にも色が塗り重ねられた絵画。
キラキラと華やかに輝くシャンデリア。

何度来ても、不思議な感覚になる邸宅。

全てが非現実的な空間で、私はふわふわとした気持ちになった。

これからどうなるんだろう。
敦賀さんは会ってくれるの?

私を見てどう思う………?

きゅっ、と服をつまみながらたどり着いたのは、一室の部屋の前だった。


「…………あの」

不安そうにお付きの人を見上げると、どうぞ、と扉を開けるように促された。

「敦賀様は中にいらっしゃいます」

って、え?
中に敦賀さんが!?

………だったらここ、お見合いがある場所じゃないのかしら……?
私なんか案内して、社長さんに怒られたりしないの?!

不安と疑問と緊張で強張りながら見上げた彼は、優しい眼差しで私を見下ろしていた。

「さぁ」

そっ、と背中に手を添えられて中へ入るように促される。

………………。
でも………ご迷惑じゃ…………。

でも………このまま帰ったら、敦賀さんは手の届かない存在になってしまう?

でも………。
でも………。

今会いたいの…………。


「最上様」
「……っ…!」

…………あーーー!
もう、ここまで来たんだし。
なるようになれ!だわっ。

敦賀さんに嫌がられても、後悔はしたくないと思った。

自分が一体何をする気かも分からないまま、半ばやけくそで扉を開ける。


バタン

「……!!」

私のいきなりの登場に、ソファーに座っていた人達の視線が一気に私に向かって集中した。

「あ…………」

扉を開けた正面に座っていたのは、ゴージャスな服に身を包んだ社長さん。
その左側のソファーに座る先生と敦賀さん。
右側のソファーの、茶髪ストレートの20代らしき外国人女性。

全員が、突然乱入した私から目を離さない。

「あの……………」

存在感のある人達に見つめられて頭が真っ白になりながら、私の口からは意味のない単語が飛び出す。

「最上くん」

うろたえる私の名前を社長さんが呼んだ。

「どうしてここへ?今、俺とクーが提案した大事な蓮のお見合いをやってる最中なんだがな」
「………!」

社長にはっきりと告げられ、息が詰まった。
君は部外者だ、と言われたような気分になって、足元がふらつく。

右側から視線を感じてそちらを見ると、モデルのようにスラリとして大人っぽい
女性が、ソファーに座ったまま私を見てフフッと笑った。

「………!」

その瞬間、冷水を浴びせられたように固まってしまった。
この女性が……敦賀さんのお見合い相手の方??

とっても綺麗で…子供っぽくて色気のない私とは全然違う……!

酷く自分が惨めに思えて、皆の視線から逃げるように床を見つめた。

ふわり。

その瞬間、立ち尽くす私の隣に、人の気配を感じる。

「最上さん」
「!」

それは、久しぶりに聞く敦賀さんの声だった。
とても懐かしい。

恐る恐る見上げると、細身のスーツを着た敦賀さんが私を見下ろしながら立っていた。

「何をしに来たの?」
「……!」

ナニヲシニキタノ?

「………あ………」

動揺したまま見上げた敦賀さんは、冷たい声と表情のない顔をしていた。

敦賀さんにこんな突き放された態度を取られた事がなかったからショックで心が固くなる。
まるで……知らない人間を見るかのような目で見つめられて泣きたくなった。

「あの…………すみません!」

怖くて……これ以上敦賀さんに突き放されるのが怖くて、ここから離れようと思った。

だけど…………。

気付いた時には私の手首はしっかりと敦賀さんに握られていて、動く事も出来ない。

「……また逃げるの?」
「……!」

暗に、告白されたあの夜の事を言われているのだと分かってビクッとなる。

「最上さん。俺に用があるから来たんじゃないのか?」
「……………」

敦賀さんに言われて、私はコクンと頷いた。

ごまかす気分にはなれなかった。
もう私がどう言っても、敦賀さんの信頼を失っている事を悟ったから。

おまけに、社長さんや先生も認める美人なお見合い相手の方もいて……。

この場では、私だけが明らかに部外者だ。

せめて、非礼を詫びて簡潔に自分の気持ちだけでも伝えて、速やかに立ち去ろう………。

これ以上見苦しくご迷惑だけはかけないように。

「敦賀さん………」

私はよく回らない頭のまま、敦賀さんの名前を呼んだ。

「あの……今日はすみませんでした……。事務所で、敦賀さんがお見合いなさると聞いて…」
「それで?」
「あの日………逃げ出したあの日からずっと後悔していました。敦賀さんを傷つけて……。謝らなきゃって……。本当にごめんなさい」
「わざわざそれを言いに?」
「…………敦賀さんがお見合いをすると聞いて、何故か胸が苦しくなって。顔が見たくなって。散々失礼な態度をとって……今更、虫のいい話だと言う事は重々承知していますが……会いたくなって気付いたらここまで来ていました」

そこまで言って、私はすぅっとゆっくり空気を吸い込んだ。

落ち着くのよ……。

「どうして俺のお見合いで最上さんが苦しくなるの?俺の事なんて何とも思ってないんだろう?」
「……っ……私は臆病だから…こうなるまで自分の気持ちに気付きませんでしたが………敦賀さんの事が好きでした」

そこまで言って、判決を待つ罪人のように俯いて目を閉じた。

これでおしまい。

「………でした?」

え??

低い呟きが聞こえて、思わず敦賀さんを見上げる。
と、そこには眉間に皺を寄せ魔王化なさった敦賀さんがいた。

………!!!!!

防衛本能から無意識に後ずさろうとするものの、敦賀さんに掴まれた腕が鎖のように纏わり付いて離れない。

「散々振り回しておいて、ようやく俺に歩み寄って来たかと思えば『好きでした』って…過去形?」

じっとりと私を見た敦賀さんの目は、本気で恐ろしい。

えぇ………告白して怒らせるって……何でぇ????

「敦賀さん?」
「もう一回言って、最上さん」
「え!?」

もう一回……って告白の事!?
ご、拷問!!??

「いいから」
「ヒッ…!あの………敦賀さんの事、好きでした」
「でした……って、君はまた………。そんな可愛くない事を言うのはこの口かな?ん?」
「!いひゃ……いひゃいでふ!!」

敦賀さんは私の口の両端をつまむと、笑顔を浮かべて左右に引っ張った。

手をどけようとしても、全然外れない。

突然の敦賀さんの態度の変化にも困惑する。

ふえーん(泣)!!!
恥ずかしいし痛いし怖いぃぃい。
どうしてこんな事に!

「おい、クオン。それ位にしておけ。キョーコに嫌われるぞ」

助け舟を出してくれたのは、優雅にソファーに座って観察していたヒズリ先生だった。

それを受けてか、敦賀さんの手がぱっと離れて行く。

触られていた場所はまだ熱くて、私は自分の手で何度も撫でた。

「最上さん」
「はい………!」
「今も俺の事好きだよね?」
「へ????」

断定的な言葉。
でも、敦賀さんならそれも許されちゃいそうだと人事みたいに思った。

「俺の事好きだからこうやって来てくれたんだよね?興味のない男の見合いに乗り込んで振り回すなんて、最上さんはそんな子じゃないよね?」

口を挟む暇もない程にスラスラと話す敦賀さんを見て、私は目を白黒させた。

「答えて」

敦賀さんに言われて、私は誘われるように口を開いた。

「好き…………です」



ガタッ

その瞬間、今まで黙って様子を伺っていた敦賀さんのお見合い相手の女性が立ち上がった。

高いヒールをはいているせいか、180cmはありそうな長身の美女。

彼女が笑みを浮かべて私に近づいてくる。
モデルのように洗練された姿を、ただただ引き寄せられるように見ていた。



◆つづく◆




第2話もハラハラドキドキ面白いですねーvv
んもー!続きが気になるわー!!!って思われた方!大丈夫。明日続きはUPします!
ご感想は製作者様ご本人へv
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