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優しい時間 34

2010/05/11 Tue 21:20


AT車ってやっぱり運転ラクだね。

車検!またお金が飛んでいく!!!

わーん!(涙)

でも、楽しいんだ・・・MT車・・・。


全く関係ないけど、優しい時間 34話です。
(お待ちいただいた方々、本当に遅くなり申し訳ありません)

では、つづきよりどうぞ~!






煌めいて、光輝いて。
そんな過去が現在ならいいのに。



優しい時間 34



「よお、蓮。すごいことになってるな~」
「・・・新開監督・・・」
「オモテのマスコミ、すごい人数だったな。さすが天下の敦賀蓮って感じだ」
「すみません」
「はは。いいよ。今日はロケじゃないから」
できることならあのまま家に居たかったのに。
この状況でキョーコの傍を離れたくなかった。

・・・あの子の考えそうなことはわかっているから・・・。

俺が家に帰るころ、キョーコは家に居ないかもしれない。
俺に迷惑がかかるからとあの家を出て行くかもしれない。

それがとても恐くてたまらない。

―――私、静かに生活したいの。こんなふうに騒がれてまで、この場所にいたくない。

それは君の本音?
本当はどう思ってる?
再会してからずっと、俺はキョーコの心からの本音を聞いたことがない気がする。
お願いだから自分のことだけ考えて。
俺のことなんかひとつも気にすることはないんだから。

「―――で?」
「はい?」
がしっと俺の肩を組んで耳打ちするように新開監督がぼそりと話しかけてきた。
目だけを監督に向けると、にやりと口角が上がっている。
「お前が同棲している女の子ってどんな子?」
「・・・・・・・・なんですか。あなたまで・・・」
「だあって、今まで浮いた話がひとつもなかったお前に初のスキャンダルだろ?楽しくもなるさ」
「楽しいって・・・」
「お前のデビュー作品は俺が手がけたんだぞ?お前の成長を俺はずっと見てきたんだ!気になるってもんだろう。で?で?どんな子?かわいい?」
「・・・・監督・・・・」
はあ・・・とため息をつきながら本当に楽しそうに話している監督を見る。
「興味もわくってもんさ。お前の演技を変えたのはいったいどんな子なんだろうって」
「え・・・?」
「あれ?お前気づいてなかったの?宝田社長と言ってたんだよ。デビューしたときとは随分違う演技をするようになったって。経験を積んだってだけじゃなくて、それだけじゃない色を持ったって」

色・・・?

「それってその女の子のおかげじゃないの?だからさ、俺もその子にすごく興味がある」

俺の演技が変わった?

そんなこと・・・感じたこともなかった。

ただ、キョーコと再会して一緒に暮らすようになって。
あの子がそばに居るだけで俺の毎日は満たされた。
日本に来て、演技ができることはとても楽しかったし嬉しかったけど、いつも“何か”が欠けてた。
“何か”なんてわかりきっていたけど、でもどうすることもできなくて、ただ焦って。
もっと世間に知られるようになればキョーコが俺に気づいて、自分から知らせをくれるんじゃないかってそれだけを考えていた。

新開監督や社長が言うそれが本当なら、俺を変えたのは間違いなくキョーコの存在。
家に帰ればキョーコが居る。
キョーコの顔が見れる。
キョーコの声が聞ける。
キョーコに触れることができる。

キョーコを守るために、キョーコのそばに居られるために俺は仕事をする。
楽しんで仕事ができた。

やっぱり俺はキョーコという存在に助けられていたんだ。

「今度ちゃんと紹介しろよ」
「はい」

「よし!さあ皆撮影始めるぞ!スタンバイしろー!」
「はーい!」
スタッフ各々から返事が上がる。
今から俺がするべきこと。

「すみません。皆さん。私事でご迷惑をおかけして申し訳ありません。ですが精一杯がんばりますので今日もよろしくお願いします」

さあ、仕事をしよう。
キョーコ、君の存在は俺にとってマイナスになることなんてないんだ。
だってほら、俺はこんなにも君に救われてるんだから。



***



コンコン

「キョーコちゃん」

え・・・?

「ごはん、食べない?おなかすいてるだろう?」

「社・・・さん・・・?」

蓮兄が仕事で出て行って、静かになった部屋に、しばらくして響いた優しい声。

「どう・・・して・・・?」

だって社さんは蓮兄のマネージャーで、蓮兄と一緒に仕事場に行っているはずで。
だからここに居るはずなんてないのに。

「蓮にキョーコちゃんのこと頼まれたんだ。一緒に居てほしいって」
「でも、蓮兄は?」
「蓮は大丈夫だよ。お兄ちゃんは蓮をそんなやわな子には育ててないからね」
「・・・・・」

優しい、優しい声。
扉の向こう側にいるのに、社さんの声からどんな表情をしているのかわかる。
この人はずっと協力してくれた。
私がここに住むことで、蓮兄のマネージメントがどんなに大変になっただろう?
嫌な顔をせずに、心から笑って私に接してくれた。

「やしろさん・・・」
「うん?」
「私のせいで・・・たくさん迷惑・・・ごめんなさい・・・」
「キョーコちゃん」
「・・・」
「ここ、開けてくれない?」
「・・・」
「ね?キョーコちゃん。お願い」
「・・・」

社さんにはなんとなく逆らえなくて、私は部屋の扉を開けた。
そこに居たのは優しくて、ちょっとだけ苦笑いをした社さんの姿。

「あーあ。キョーコちゃん。顔、ぐしゃぐしゃだよ?」
「・・・っ」
そう言われて、私はたった今まで泣いていたことを思い出した。
慌てて袖で顔を拭う。
「あ、だめだよキョーコちゃん。赤くなっちゃうから。顔を洗っておいで。お兄さんがご飯を作ってあげよう。ってもたいしたものは作れないけどね」

いつもと変わらない。
社さんも蓮兄も。
どうして?
こんなに大変なことになってるのに、どうしてそんな風に笑うの?
どうしてそんな風に私に優しく笑いかけてくれるの?

社さんは、さあできたよってチャーハンを作ってくれて。
あったかいうちに食べてってまた優しい笑顔をくれる。
初めて食べる社さんのごはんは、私の心にやっぱり優しく染み込んだ。

「・・・社さん。私、ここを出ようと思うんです」
「どうしてか・・・大体見当はついてるけど、聞いてもいいかい?」
「・・・私がここにいることで、蓮兄に迷惑がかかるから・・・」
「迷惑だって蓮が言ったの?」
「そんなこと!・・・・・・蓮兄は言いません・・・」
「なら出て行く必要なんてないんじゃない?」
「でも、実際にこんなに騒ぎになってますし、社さんだって本来はここにいるべき人じゃないでしょう?」
「どうして?」
「どうしてって・・・社さんは蓮兄のマネージャーさんで・・・」
「うん。だから今ここにいるんだよ」
「え?」

キシ・・・と小さな音を立てて、社さんは椅子の背もたれに寄りかかった。
ふう、と一息ついてまた私をまっすぐ見た。

「俺は今、蓮が最高の仕事ができるようにここにいる。蓮にとって一番大切なのは仕事よりもキョーコちゃんだからね。君を一人にしていたら、蓮は心配で仕事が手につかなくなるんだ」
「そんな・・・」
「そんなことないって言いたいの?」
「・・・・・」

でも蓮兄の生活を乱してしまうのも私だ。
だって蓮兄は私と再会する前にすでに役者として芸能人として成功してた。
これからだってこんな騒ぎが起きることなく順調に進んで行っていたはずなのに!

「・・・君はもっと自分の価値を知るべきだよ」
「・・・私の・・・価値・・・?」
「そう。蓮にとっての君の価値。君の周りの人にとっての君の価値。無価値の人間に俺は関心を寄せるほどお人好しじゃない」

めがねの向こうの社さんの瞳はとても真剣で・・・とても恐かった。
こんな社さんを見るのは初めてで。
私はいつも優しい顔で笑ってくれる社さんしか知らない。
キョーコちゃんって、まるで近所のお兄ちゃんのように接してくれる社さんしか知らない。

その社さんが私を射抜く。

恐い。

恐い。

恐い!!!





「・・・ですか・・・?」
「え・・・?」

「私の価値って・・・なんですか・・・?」

「・・・キョーコ・・・ちゃん・・・・?」

だってわからない。
どんなに考えてもわからない。
ここにいることが蓮兄にとっていいことだなんて、そんな答えどこにもない!

「私だって蓮兄が一番大事です!蓮兄が私のことを大切に思ってくれていることも知っています!」
「だったら・・・」
「でも!私じゃ蓮兄に幸せなんてあげられないんです!蓮兄に仕事よりも大事に思ってもらえる価値なんて私にはありません!」
「・・・本気で言ってるの?キョーコちゃん・・・」

あ・・・また・・・社さんの恐い顔・・・。

目の前が揺らぐ。

涙が溢れ出す。


―――君が好きだよ

蓮兄の声が聞こえる。
大好きな声が聞こえる。

私だって・・・好きです。

世界で一番大好きです。

蓮兄のこと・・・世界で一番愛してます。





だから・・・恐い・・・。

また同じように失ってしまったら?
どんなに名前を叫んでも、応えてくれなくなったら?


「ねえ・・・キョーコちゃん・・・?何をそんなに恐がっているの・・・?」


私が今よりもっともっと蓮兄に近づいてしまったらまた失ってしまうかもしれない。
お父さんとお母さんみたいにいなくなってしまうかもしれない。

そんなのは嫌だ。
そんなのは嫌だ。
そんなのは嫌だ!!

それなら離れていたっていい!
遠く離れていても蓮兄が元気で笑ってくれたらそれでいい!

私はそれ以上のことは望まない!
望んではいけないの!!




「・・・社さん・・・」
「ん?何?キョーコちゃん」

「私、すごく楽しくて・・・蓮兄が一緒にいようって言ってくれてすごくすごく嬉しくて」
「うん・・・」
「でも・・・蓮兄は・・・敦賀蓮なんですよね」
「・・・」
「敦賀蓮と住んでるなんて・・・世間から見たら本当にすごいことで」
「・・・」
「それが、こんな高校生だなんて・・・しかも他人だなんて許されないことなんです」
「キョーコちゃ・・・」
「いつか、蓮兄に本当に大切な女性が現れたとき、私は蓮兄にとって今より邪魔になる」
「そんなことないよ」
「私は蓮兄の足枷にはなりたくないんです!」
「君は足枷になんかならない!」
「・・・帰ってください」
「キョーコちゃん・・・?」
「帰ってください。社さん。私は大丈夫です。社さんは今いるべき場所に戻ってください」
「だからそれは―――」
「お願いですから一人にしてください」
「でも・・・!」
「お願いします!!!」

社さんに失礼だとは思いながらもこんな態度しかできない自分が歯がゆかった。



「ごめんなさい・・・社さん・・・」
「キョーコちゃん・・・」
「ごめんなさい・・・」

謝ってすむことじゃない。
今までたくさんたくさんお世話になったのに、こんなふうにしか返せない。



「キョーコちゃん。蓮も俺も君の事を邪魔だなんてこれから先も絶対に思わないよ」
「・・・・・・」

「それから・・・ごめんね。俺もここを離れるわけにはいかないんだ」

「・・・っ」

どうしよう。
どうしたらいい?
どうしたら私は蓮兄を守れる?

ガタンと立ち上がると、その反動で座っていた椅子が後ろに倒れて大きな音がした。
でもそんなことかまってられなくて、私はそのまま自分の部屋に入って鍵をかけた。

ふと机の上を見ると、そこには鈍く輝く碧い石。
「コーン・・・」
ぎゅっと両手でコーンを握り締めた。

あの日、蓮兄に会いに行かなければよかったね。
直接返そうなんて思わなければ良かった。
郵便だってなんだって手段はあったはずだったのに。

あの日の自分が恨めしかった。




「もう、どうしたらいいのか・・・わからないよ・・・コーン・・・」


ただ、遠い遠い過去が眩しかった。




つづく








本音を言います。
もう嫌だ!こんな暗い話!!!!(←毎回サイテー)

さて・・・本気で続きをどうしよう・・・。
自虐的マゾなのか?そうなのか?自分ではドSだと思っているのだが・・・・。

まだ続きます。

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