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二人きりの思い出

2010/03/08 Mon 02:55



今日はSSです!
といっても、実はこれ・・・『月の誘い 泡沫の夢』の月様に捧げました、相互記念SSなのです。

このSSをお渡ししたときに月様より「うちだけじゃなくてコマドさんのところにもUPして~」と言っていただきまして。

このSSを月様宅でUPしていただいたのが昨年の11月2日。
そして、今のUPに至った理由は・・・

まあ、単に私が忘れていただけですけど。
(もう、私の脳に記憶をとどめておくことは不可能に近いんだよ・・・orz)
仕事帰りに、ああ・・・そういえばー・・・と思い出したので、月様にUPするねーとメールしたところOKが出たので、こうしてUPさせていただくことになりました!

ので、続きにある作品をなんか読んだことがあるなーって感じた方は、間違いなく読んでらっしゃいますので!
デジャブではありませんので!!!!

では、つづきよりSS『二人きりの思い出』ですvv






「もう寒いからもう少し厚着したほうがいいんじゃない?」
「そうですか?昼間はまだ暑いくらいですよ」
「いいから。言うことききなさい」





二人きりの思い出





生まれて初めてデジカメを買った。
とても綺麗な写真が取れるデジカメ。
私ははしゃいでしまって、たくさんの写真を撮った。
被写体第一号は敦賀さん。
家に帰ってきたところを不意打ちで激写。
フラッシュに驚いていたけど、さすがは俳優兼モデルの彼は、不意打ちでもかっこよく写っている。
「んー。なんだかずるいなあ・・・・」
「何がずるいって?」
「そりゃあ敦賀さんですよ」
「また・・・見てるの?写真・・・」
「だって、おもしろいんですもん・・・」
ソファに座っている私の背後からすっとデジカメを奪い取る。
ピ、ピ、と画面を操作してデジカメのメモリの写真を見ていく。

「このカメラ・・・あんまりキョーコが写っていないね」
「そうですか?」
「うん。俺や琴南さんの写真や風景は多いけど・・・キョーコが写っていない」
「・・・まあ、私が撮ってますし・・・ねえ?」
撮ることが楽しくて自分自身が写ってるかどうかなんてまったく気にしていなかった。
それよりも、みんなが笑っている写真や綺麗な風景を見ることが嬉しくて。
「でも・・・・・」
「なんですか?」
敦賀さんを見るとカメラを見たまま何か考えていた。
どうしたんだろう・・・?なんて考えていると、敦賀さんは気づいたように私の顔を見た。

「キョーコ。次のオフ、いつ?」
「え?」
「次、いつ会える?」
「・・・・・・・なんですか。いきなり。私のオフよりも敦賀さんのオフはいつなんですか?時間が合えばいつでも夕食作りには伺いますが・・・」
「ちがう。そういう意味じゃなくて・・・」
「?」
「昼間!」
「昼間って・・・・・どうしたんですか?」
「だから、デートしよう!」

目が開けられないほどのキラキラした笑顔で、彼・・・敦賀蓮にそう言われた。



――――のは、1ヶ月前。

今日は、そのデートの日。
ちゃんと二人のオフの日を見つけて。
午前中は敦賀さんはお仕事だったけど、その日に仕事が入らないように調節までして。
楽しみにしていた午後。
よく晴れた日。

下宿先まで迎えに来てくれた敦賀さんの車に乗り込もうとしたら、ちょっと待って、と止められた。

「もう寒いからもう少し厚着したほうがいいんじゃない?」
「そうですか?昼間はまだ暑いくらいですよ。ほら、実際・・・」
「いいから。言うことききなさい」

どうせ敦賀さんとはそんなに一緒に外を歩けないだろうから厚着しなくてもいいかって思ったんだけど・・・。
知らない人はきっといないと思うほど人気の彼。
背が高くて綺麗な顔立ちで。
老若男女全てを魅了する。
そんな彼が外を出歩けば、きっと黒山の人だかりになる。
女連れなんてことになれば、スキャンダルの嵐だろう。
デートはきっとドライブだろうから・・・。

とりあえず彼に言われたとおりにジャケットを上から羽織る。

「今日はどこに行くんですか?」
「いいところだよ」
「いいところ?」
「キョーコは好きだと思うよ」
「私が!?もしかしてお城ですか!?」
「・・・え?」
「お姫様がいらっしゃるのですね!!キラキラでフリルがたくさんついて、ちょっとだけ病弱だけど高貴なお姫様!!」
そのお城には王子様の敦賀さん!!
お姫様と王子様は幸せに暮らして・・・。
「・・・・・・・・・きょ・・・キョーコ?」
「私!是非行きたいです!!!」
「・・・・・・・・ざ・・・残念ながら・・・お城ではないんだよ」
「え・・・そうなんですかあ?」
お城ではない、いいところ・・・・。
どこなんだろう?

でも、敦賀さんと一緒に出かけるなんて本当に久しぶり。
楽しまないと損よね!!

きっと食べていないだろう、お昼ごはんのお弁当を車の中で一緒に食べて、おいしいと笑う彼を写真に収める。
ちょっとかしてとデジカメを奪われ、写真を撮られた。
仕事で写真を撮られるのには大分慣れてきているけど、こうしてプライベートで写真を撮られるのって・・・なんだか気恥ずかしい。
「うん。かわいい」
彼はそういうけど、彼が見ているデジカメの画面を見てみると、そこに写っているのはどうみても不細工な自分。
もともと顔のつくりはいまいちだけど、こんなにも不細工だなんて・・・。
かわいいなんてそんなお世辞なんていりません!!
彼からカメラを奪い取って、バックの中に戻した。
かわいく撮れているのに、って笑顔で言う敦賀さん。
あなたの目は節穴ですか?
大先輩に失礼だと思いながらも、そう思わずにはいられなかった。

「どこまで行くんですか?」
走り出してもう1時間以上。
「内緒」
いたずらっ子のような顔してそれしか言ってくれない敦賀さん。
走っているのは山道。細くてスポーツカーが走るにはなんて不似合いな場所。
道は補正されているものから砂利道に変わる。

お城は本当に却下されたのか・・・なんて思いながら景色を見る。

いつのまにか景色の中には家すらなくて、見えるのは自然だけ。
まだ昼の3時だというのに、夕暮れのような薄暗さだった。
ちょっと開けた砂利の広場に車を停めて、ここからは歩こうと促された。
「・・・本当にちょっと寒くなってきましたね」
「でしょ?厚着して正解」
自然に差し出された彼の手に、私も自分の手を重ねた。
大きくてあったかい手は、いつものように私の手をぎゅっと握り返してくれる。

「こんなところに一体何があるんですか?」
「まあ、もう少し行けばわかるよ」

背の高い草の間を通る細い細い道。
人が一人分が歩けるくらいしかない道を、敦賀さんに引かれるように進む。
この先に一体何があるのかとドキドキする。
きっときっと素敵なものなんだ、いつだって彼は私に素敵なものをくれるから。

「着いたよ」
彼の声に、広い背中の向こう側を覗いた。

「う・・・わあ・・・!!!!」
そこに広がるのは一面の花畑。
「コスモス!!すごい!!すごーい!!」
濃いピンク・薄いピンク・白・・・。

「は・・・!!入っていいですか!?」
「どうぞ?」
「ちょっ・・・!!行ってきます!!!」
バックは持っててあげる、と言う敦賀さんにバックを預け、私は綺麗過ぎるコスモスの海に走る。
たくさんのコスモスが鮮やかに揺れている。
コスモスを荒らさないように、コスモスとコスモスの間の小さな小さなあぜ道を歩き、コスモス畑の真ん中まで一気に進む。
やさしい香りに包まれて、私までやさしい気持ちになれるような気がする。

「敦賀さん!!綺麗ですね!!」
さっきの場所に立っている敦賀さんに、大きな声で話しかけた。
敦賀さんはニコニコと本当に嬉しそうに笑っていた。

私はもう一度敦賀さんの元に走って戻る。
「もう、終わり?」
そういう敦賀さんの手を取って、「敦賀さんも一緒に行きましょう!」って言うと、ぎゅっと手を握り返してくれた。
「本当に綺麗・・・。夕日と混ざってさらに綺麗ですね」
「そうだね」
「ここ・・・知ってたんですか?こんな穴場・・・」
「知ってたんです」
「・・・もしかして、前にデートに来た・・・とか?」
「何?それ。やきもちですか?キョーコさん」
「ちっちがいますよ!!」
「そうですか。やきもちですか」
「違うって言ってるじゃないですか!!」
「はいはい」
「むー。信じてませんね!?」
「信じてるよ。大丈夫。デートで来たとかそういうんじゃないから」
「・・・・」
「本当だよ?」
「・・・疑ってませんよ」
「本当?」
「っ本当です!」
手を離して、今度は彼の腕にぎゅっとしがみつく。
敦賀さんの言ってることはきっと本当だから。
この手を離すつもりも私にはないのだから。

ぎゅうっと力を入れて腕にしがみついて、顔を彼の腕に寄せてたら、頭上から『カシャ』と小さな音がした。
ん?と音のした方を見上げると、敦賀さんがデジカメを覗きながらにこっと笑った。
「キョーコのつむじ」
「へ?」
そしてまた、カシャっと。
「な!!何撮ってるんですか!!」
「キョーコのアップ写真」
「!!消してください!!」
「嫌」
「嫌って!!!」
敦賀さんの腕を離して、私はデジカメを奪おうとするけど、ただでさえ身長の高い彼からデジカメを奪うことなんてできなくて、結局何枚も写真を撮られた。
「うん。かわいい」
きっと変な顔にしか撮れていないのに、それでも彼はなぜかご満悦。

・・・・本当に節穴だわ・・・。

「ねえ、キョーコ。せっかく来たんだし、二人で写真撮ろう?」
「・・・デート記念にですか?」
「うん。それもあるけど」
「けど?」
敦賀さんはデジカメを操作しながら、歩いて私から遠ざかる。
大きめの岩の上にデジカメを置いて、それを覗きながら「キョーコ、もう少し前に来て」と言った。
私は敦賀さんの言うように少し前に出て、彼が自分のところに戻ってくるのを待った。
シャッターボタンを押して、赤いランプが点滅している間に、敦賀さんは私の隣に立つ。
「こうやって二人で撮った写真を、結婚披露宴で流したいと思ってね」
「え?」
びっくりして敦賀さんを見た瞬間に、カシャと音が聞こえた。

「ああ。キョーコ。写真撮れちゃったよ。もう一度セットしてくるから・・・」
「な・・・え・・・敦賀さ・・・」
さっき、結婚披露宴とか・・・・・なんとか・・・おっしゃいました・・・・?
頭の中がぐるぐると混乱している。
空耳?節穴なのは私の耳?

「君と二人の写真って驚くほど少ないんだ。だから二人の写真が欲しかった。二人で撮った写真を、いつか堂々と披露するのが俺の夢です」

嬉しくてぼうっとする頭で彼を見ていると、彼はくすりと笑ってちゅっとおでこにキスをくれた。

「・・・じゃあ・・・たくさん撮らないといけませんね・・・」
震える声でそう言うと、「もちろん」と楽しそうに返してくれた。

敦賀さん。
今、私がどんなに嬉しいかわかりますか?
嬉しくて嬉しくて泣きそうです。

揺れるコスモスの中で披露するのは最高の二人の笑顔。
私たちは今の幸せを写真に収めた。











「あ!いつの間にこんな写真!!」
帰りの車の中で、今日撮った写真を遡りながら見ていると、二人で撮ったたくさんの写真の後に出てきたのは私一人の写真。
「コスモスの中ではしゃいでいる君がかわいくてね。つい」
「何言ってるんですか!!なんか盗撮されたみたいで恥ずかしいです!」
「消さないでね?」
「うー・・・」
「ダメだよ。消しちゃ」
「消しませんけど!!」
・・・消しませんよ。だってこれはあなたが撮ってくれたものだから・・・・・。
「よろしい。家に帰ったらプリントしよう」
「はい」
綺麗なコスモスと二人の写真。
特別な言葉と、いつか迎える結婚式。
今日はなんて素敵な日なのだろう。
心から彼に感謝した。


「ところでキョーコ?」
「はい?」
「帰り道に・・・君が行きたがってたお城みたいな場所もあるけど行ってみるかい?」
「え?本当ですか?」
「うん。君をとびっきりのお姫様にしてあげる」
「嬉しい!!楽しみです!!」


・・・このとき、お姫様になれるという嬉しさで、彼の笑顔の意味を察知できなかったことを、お城に着いたとたん激しく後悔することになる。

「ここでの写真はいりません!!!」


・・・本当に色んな意味で思い出になる一日でした。



おわりv







と、いうわけでUPさせていただきました!
月様にはなんとも私らしい終わり方だとおほめの言葉を頂きました。(・・・・ほめられてるのだろうか・・・)
時間背景は秋ですが、そこは11月の献上品だということに目を瞑ってくださいませvv
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