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優しい時間 30

2010/03/03 Wed 17:00


朝起きたら・・・

寝違えてたーーーーーー!!!!
うがいのとき上向けないぜー!!!orz

優しい時間、もう30話ですか・・・。

びっくりですね!ほんと、びっくりです・・・・!40話までには確実に終わると思うので勘弁してください!

さくっと、続きから優しい時間30話、どぞ!





「君が好きだ」


それは・・・どういう意味ですか?


私は・・・その本当の意味を知りたくはないんです。



優しい時間 30



バイトをする、なんて絶対に反対されるのわかっているから、蓮兄には言えなくて。
自給がいいから選んだビルの清掃のバイト。
20時には終わる予定だったけど、仕事が終わったのが20時半。
帰りの電車に乗り遅れて、帰りにスーパーで買い物をしていたら、いつのまにか22時になろうとしていた。
今日に限って家に携帯電話を忘れてくるし、蓮兄の帰ってくる時間がわからなくてハラハラした。
急いで家に入ると、蓮兄が玄関まで来ていた。

「・・・蓮兄・・・お帰りなさい・・・」
扉を開けると連兄がいたものだから、心の準備というものがなにもできていなくて、言葉がしどろもどろになってしまう。
「こんな時間までどこに行っていたの?」
「・・・・えっと・・・」
蓮兄の静かな威圧感。
これは怒っている証拠。
私は怖くて、理由をどう説明していいかわからなかった。
「琴南さんと勉強してたんじゃないの?彼女、さっき電話でそう言っていたけど?」
!そ、そうだった・・・!
「あ・・・ああ、そう。モー子さんと受験勉強してたんです!ごめんなさい、遅くなって。ご飯、まだですよね?今から作りますから!」
「・・・・・・、・・・うん」
モー子さんと打ち合わせをしていたことをすっかり忘れていた。

「・・・キョーコ」
静かに名前を呼ばれて、身体が震える。
「・・・はい?」
私の声・・・裏返っていないだろうか・・・。
何を・・・言うの?蓮兄・・・。

「・・・・・いや・・・なんでもないよ。あ、今日は何を作るの?」
「えっと、今日はですね・・・」

緊張が・・・解けない。
話題はさっきのものと違うはずなのに、蓮兄の口調は固いままで。

蓮兄の視線が怖くて、キッチンのほうに足早に歩こうとした。
その時、私の身体は逞しい腕につかまった。

「!蓮兄!?」
「え・・・?」
「ど、どうしたんですか?びっくりするじゃないですか!」
わけがわからず、つい大きな声を出してしまった。
私を巻きつく腕の力は緩まるどころかますます強くなる。
ど、どどどどどうして!?
蓮兄の意図がわからない・・・。

「心配・・・したんだ・・・。メールも返さないし、電話も出ないし・・・」
「・・・」
「家に着いたら、キョーコはいないし・・・」
「あ・・・あの・・・ケータイ・・・忘れて・・・」
「どこに・・・行ってたの?」
「だ・・・から・・・モー子さんの家に・・・」
「・・・」

蓮兄はきっとそれが嘘だって気づいてる。
でもそれを肯定することなんてできない。
私は、私にからみつく蓮兄の腕にそっと触れ、そして蓮兄の腕をゆっくりと解いた。
大丈夫。
大丈夫。

何が大丈夫なのか自分でもよくわからないけど、必死にそう言い聞かせて呼吸を落ち着かせた。
笑顔を顔に貼り付けて、蓮兄のほうへ振り向いた。

「・・・蓮兄は・・・心配しすぎですよ。私、もう子供じゃないんです。蓮兄に抱きしめてもらってばっかりの子供じゃないんですよ」
そう、私はもう守ってもらわないといけないほど子供じゃない。
「そんなに心配ばっかりしていたら、蓮兄禿げちゃいますよ」
冗談交じりで笑いながらそう言うと、蓮兄は溜め息をつきながら「ひどいな・・・ウチは父さんも禿げてないし、両親の父親も禿げてないから大丈夫だよ」と言った。
そんなこと、知ってるよ。蓮兄・・・。
「これでも成長してるんですよ。だから蓮兄もいつまでも私のことばっかり考えなくていいんです」
ちゃんと自分のこと考えて?
私のために、じゃなくて・・・ちゃんと蓮兄だけの幸せを考えて欲しいんです。
「それから、あんまり私のことが大切だなんて言わないでくださいね。敦賀蓮がシスコンなんてことになったらイメージ壊れちゃいますから」
さ、ごはん作るんですからあっちにいってください・・・そう言って、蓮兄の淋しそうな表情を見ない振りして、私はキッチンに逃げ込んだ。

・・・逃げ込んだつもりだったのに。
蓮兄はキッチンにまで着いてきて、私の後ろに立っている。

視線が・・・痛い・・・。

野菜を切っている音が出ているはずなのに、その音すら聞こえない。
心臓が、ドクドクと大きな音を立てる。
自分の中の音のはずなのに、私の耳にはその音がしっかりと聞こえていて。
もしかしたら蓮兄にも聞こえているんじゃないだろうか。
お願い、今だけあっちに行ってください。

「・・・キョーコ」
「はい?」

私の声・・・震えてはいないだろうか・・・?
沈黙が怖くて、包丁を動かす手は止めないまま蓮兄に答える。

「キョーコ・・・」
「はい?」

名前を呼ぶだけで、一向に出てこない言葉。
どうしてそんなに私を呼ぶの?

そんな静かな声で、淋しそうな声で私を呼ばないで・・・。
苦しいんです。
この気持ちがなんなのかよくわからないけど。
ただ、怖くてたまらなくて・・・苦しいんです・・・。


「・・・キョーコ・・・」
もう、いい加減にして欲しい!
「蓮兄?さっきからどうしたんですか?何度も返事してるのに・・・」
蓮兄の呼びかけにも沈黙にも耐えられなくて、私は蓮兄に振り返った。


え・・・・・・・・?


「・・・れん・・・にい・・・?」


どうしてそんな泣きそうな顔をしているの・・・?

どうして・・・そんなに苦しそうなの・・・?

そんな顔・・・しないでください・・・。
ねえ、私が・・・苦しめてるんですか?
あなたにそんな顔をさせてしまっているのは私なんですか?

私は、あなたに心配しかかけることができないんですか・・・?
私がそばに居なかったら、こんな風に心配かけることもないのに・・・。

蓮兄の顔を見るのが怖くて、私は床に視線を落とした。

「キョーコ・・・」
名前を呼ばれた瞬間、視界に入ったのは蓮兄の手。
それは自然と私の両手を握る。
大きい手で、ぎゅっと握り締められる。

いつだって大好きな蓮兄の手。
あったかいはずのそれは、今日はなぜかとても冷たい。

「蓮兄?変ですよ・・・?どうしたんですか?」
「変・・・?いつもと変わらないと思うけど・・・」
「だ、だって・・・なんか違います。元気がないっていうか・・・」
元気がないというか・・・違和感がありすぎるというか・・・。
どこがどう違うのかはっきりとは言えないけど、いつもと違うということはわかる。

自分の手から蓮兄の手の感触がなくなったと思った瞬間、私の身体は正面から蓮兄に抱きしめられていた。
頭の上には蓮兄の顎が置かれている。
ぐっと抱きしめられ、身体が動かなかった。
ただびっくりして・・・声も・・・でなかった・・・。

「君が・・・うそつきだから」
「え・・・?」
「俺に嘘はつかないで」
「・・・れん・・・にい・・・?え・・・?」
嘘・・・?モー子さんのところに行っていたこと・・・?
それは確かに嘘だけど・・・でも、うそつきなんて・・・。
そんなことを思っていた時だった。


「君が好きだ」

「・・・・・え・・・?」

今・・・なんて言った・・・?
何・・・?


「世界で一番・・・君が好きだ・・・」

きつく、きつく抱きしめられながら、頭上から蓮兄の声が降ってくる。

好きって・・・何?

蓮兄が・・・私を・・・好き・・・?

そんなこと・・・・

「知ってますよ。蓮兄・・・」

私を嫌いだったら、あなたは私をここに置いてはいないでしょう?
嫌いだったら、わざわざ他人の私を見つけ出したりなんかしてくれないでしょう?

「キョーコ・・・?」

「ちゃんとわかってます。蓮兄が私のこと大切に思ってくれていること。私も蓮兄が世界で一番大切ですなんですから」
それ以上の意味なんてどこにもない。
私は自分の立場をちゃんとわかっている。
だから私はさっきの言葉を深く考えないことにして、声に明るさをくっつける。

「ごはん、作るので放してもらっていいですか?じゃないといつまでたっても蓮兄ごはん食べられないですよ?もう、携帯電話を忘れたりなんかしません。心配もかけませんから。ね?約束します」
蓮兄の背中に腕を回して、くいくいと洋服を引っ張る。

お願い、放して。
私がその意味を誤解してしまう前に、どうかこの安心できる腕の中から開放して?
お願い。
お願い・・・。

「そうじゃないよ・・・キョーコ・・・」
「・・・・・っ」

私を抱きしめる腕はそのままに、蓮兄がポツリと言った。
泣きそうに・・・震える声で・・・。

「俺が言っているのは、そんな軽い気持ちなんかじゃないよ」
「・・・軽い気持ちだなんて思ってませんよ・・・」
「思ってるだろう?」
「・・・思ってません・・・」

「でも、俺の言葉の意味、ちゃんとわかってないだろう?」
「い・・・み・・・?」

・・・・だ・・・・
「俺は」

嫌だ・・・

「蓮兄!早く放してください。ごはん作りたいんです!」
「キョーコ!ちゃんと聞いて!」

嫌だ!!

「キョーコ!!!」
「嫌!!!」

「あ・・・・」
言ってしまって、はっとした。

私・・・今・・・?

「キョーコ・・・?」
「・・・っ・・・あ・・・私・・・」

だって壊れてしまう・・・。
嫌だ・・・!
怖い!!!

また失ってしまう・・・!
大切なのに!世界で一番大切なのにまた居なくなってしまう!!!

笑顔も、声も・・・何もかも私の前から消えてしまう・・・!
そんなの嫌だ!!!

「キョーコ?キョーコ!!」
蓮兄の腕が解かれた瞬間、私は自分の体が震えているのがわかった。
寒いわけじゃない。
どうしてこんなに震えているの?
自分の体なのに、どうして震えを抑えることができないの?

蓮兄は私をもう一度抱きしめて、後頭部を優しく撫でながら「ごめん、びっくりさせてごめんね」と、そう言った。

「もう、言わないから・・・お願い・・・泣かないで・・・」

泣いているなんて、言われるまで気づかなかった。
ただ、蓮兄を失ってしまうことが怖くてたまらなくて・・・。
びっくりしたわけじゃない。
蓮兄の気持ちを知ってしまうのが怖かった。
ガラガラと崩れていく未来がきっとすぐそばまで来ている。

わかるのは、私の未来と蓮兄の未来はきっと同じ道ではないことだけ。














「でさー!ウチのクラスに敦賀蓮の妹がいるのよ」
「え!?マジで!?」
「超マジ!」
「どんな感じ?蓮に似てる!?かわいい?」
「それがさ、全然似てないの!特別かわいくもないし、なんていうか所帯じみてる感じだしさ」
「なんだー。蓮も相当大事にしてるからどんだけ可愛いのかと思ってたら」
「全然だよ!期待はずれもいいとこって感じ。大体苗字違うしさ、言われないとわかんないよー」
「へ~。じゃあ、蓮って芸名なんだ?なんて苗字?」
「最上だよ」
「え?じゃあ、最上蓮っていうのかな」
「そうなんじゃない?でもさ、妹の名前キョーコだよ。蓮は漢字なのに妹はカタカナなの。実は蓮も漢字じゃなくてカタカナかもよ~」
「え・・・・・?」
「ん?どうした?」
「ちょっとまって・・・今、キョーコって言った・・・?」
「何?あんた知り合い?最上キョーコ、知ってんの?」
「・・・・ねえ、本当にその子、最上キョーコって言うの!?キョウコじゃなくて、キョーコよね!?」
「う・・・うん・・・。キョーコだよ・・・」
「・・・・・・・」
「ちょっと、何よ!!気になるじゃない!!!!」
「ねえ・・・写真とかないの?」
「あるわけ無いじゃない!だって特別仲いいわけじゃないから写真なんて一緒に撮らないし!」
「そうよ・・・ね・・・」
「って、ちょっと待って。この間教室の中で写真撮ったからもしかしたらどこかに写ってるかも!」
「見せて!!!」
「んもう、何なのよ一体!!!!!」
「・・・・・・」
「あ!これ。この端っこに写っているのが最上キョーコだよ。ね?かわいくないでしょ?」
「・・・・・・・・あんた・・・・この子・・・」
「え?」
「この子・・・私の親戚だよ・・・」
「は?何言ってんの?じゃあ、あんたも敦賀蓮の親戚になるわけ!?」
「違う」
「はあ?」
「だから、この子、蓮の妹でもなんでもないのよ!」






近づいてくる未来が、怖くてたまらなかった・・・・。



つづく







やっと・・・ここまで来ましたよー!
・・・遅い展開ですんまそんm(__)m
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