スポンサーサイト

--/--/-- -- --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告

手袋

2009/02/15 Sun 22:43

あっという間に2月も中旬ですね。
どうせまたすぐに大晦日が来て、「今年もまた何もない一年だった」って言ってるんだろうな←やさぐれ

今日は昨日撮った写真を見ながらハンスウしてました。ニヤニヤと。

そして、昨日の疲れから親子3人昼間もバク睡。
外に1歩も出ておりません。

外の温度もよく分かりませんが、また寒くなるのかな??

冬の短編がまだあったのでUPします。
また今回もまとまりのない話ですがorz
下記よりどうぞ。



手袋


「うわ~雪だ~」
LMEを出ると、空からチラチラと雪が降っていた。
「寒いはずだ」
LMEのラブミー部所属のキョーコは家路につこうとLMEの玄関を出た。
あまりの寒さに、一旦社内に引き上げる。
バックの中に手袋があったはずだと探す。
「あ・・・あれ・・・?」
しかし、いくら探しても手袋は見当たらない。
「・・・もしかして・・・忘れた・・・?」
今朝はこんなに寒くなく、むしろお日様が暖かいと感じる程で手袋は着けていなかった。
なんとなく、昨日自分の部屋のテーブルの上に置いたような気もする。
「・・・仕方ない・・・」
気合を入れて社屋を出た。
手袋がないと分かると、なんだか寒さが手に集中するような感じがする。
はあっと息を両手に吹きかけた。
早く帰らなくちゃ。暖かいあの場所へ。
大将とおかみさんのいるあの場所へ。

「おかあさ~ん。雪すごいね~」
駅へ向かう途中、小さな子供の声が聞こえてきた。
そちらへ視線をやると、小さな男の子とお母さんが手をつないでいた。
「はやくおうちに帰ろうね。あったかいもの食べよう!」
「わ~い!!」
にこにこと幸せそうな親子がキョーコのいる場所から遠ざかっていった。

「・・・・・・・・」
キョーコはその親子の姿が見えなくなってもその方向を眺めたままなぜか動くことができなかった。
別にあの親子が羨ましいという感情はない。
自分の母親に今更望むことは何もない。
ただ・・・

「キョーコちゃん?」
ぼーっとしていたら声を掛けられた。それはよく知っている声で・・・
「・・・社さん・・・」
「どうしたの?こんなところに立ち止まって。今から帰るの?」
「・・・あ・・・はい。社・・・さんは今戻ってきたんですか?」
「うん。そう。蓮の車からキョーコちゃんが見えてね。蓮は車を停めに行ってるよ。」
「そうですか・・・。お疲れさまでした」
ぺこりと挨拶をして、キョーコは足を駅へ向ける。
「ね、ねえキョーコちゃん。蓮ももう仕事上がりなんだ。こんなに寒いしもう暗いから蓮に送ってもらいなよ。蓮もそう言って止めといてくれって言ってたし」
「いえ・・・お疲れの敦賀さんにそんなことはさせられません。はやく家に帰って休んでくださいと伝えてください」
「えっ・・・キョーコちゃん!?」
社さんが止めるのも聞かずにキョーコは急ぎ足で駅へと向かう。
今日はもう人と逢いたくなかった。
独りになりたかった。
胸の中がモヤモヤして吐き気すらしてくる感じがした。
顔に当たる風が冷たい。
指先が痛いくらい冷たい。
いっそ全てを凍らせて何も感じなくなればいいのに・・・

駅に着き、定期券を財布から取り出そうとするが、手がかじかんで出すことができない。
必死に息を吐きかけて温めようとするが、なかなか温まらなくて・・・。
電車が1本目の前で発車して行った。
・・・もういいや・・・
駅構内のベンチに腰掛け、行き交う人たちを眺める。
皆自分のある場所に帰っていくのかな・・・

ブーブーブーと携帯電話が震える。
着信は非通知。
「もしもし」
事務所からの連絡かと思い、出ると『もしもし』とキレイなテノールの声。
「・・・敦賀さん・・・」
電話に出てしまったことを後悔した。
『もう駅に着いた?』
「はい。もう改札に入りました。もしかして心配してくれたんですか?大丈夫ですよ。あとは電車に乗って帰るだけです!!」
つとめて明るく。女優・京子になる。
『そう・・・』
「はい!あ、もう今から電車に乗るので失礼しますね!!お疲れさまです」
『うん』
無理やりに電話を終わらせる。
これで大丈夫だ。敦賀さんも気にしないだろう。
もうこれ以上誰とも話したくなくて、携帯電話の電源を切る。
・・・いっそ歩いて帰ろうか・・・
歩くと相当な時間が掛かることは分かっている。
外は雪。
駅構内でもこんなに寒いのに、外の凍えるような寒さを感じたくて駅の外に出る。
「・・・はやく・・・かえって・・・あったかいもの・・・たべようね・・・」
真っ暗な空を見上げて、さっきの幸せそうな親子の会話を思い出す。
帰るって何?
私の家はどこ?

一歩、一歩・・・ゆっくりと歩き出す。
駅から少しずつ離れていく。
考えてはいけない。
そんなこと考えてはいけない!!
無駄だもの。考えても全部無意味だもの!!
雪がだんだん激しくなっていく。
早く歩かないと。
歩くことに集中しないと余計なことを考えてしまう。
視界が雪で霞んでしまうけど、そんなことにはかまっていられない。
そうして歩を早めたとたん、正面が真っ暗になって、
暖かいものに包まれた。
「え・・・・?」
とても暖かくて・・・安心するその香り・・・
何が起きたのか分からなくて、呆然としてしまう。
「電車に乗ったんじゃなかったの?」
それはとても優しい声で、そして一番聞きたくなかった声で・・・
見上げるとちょっと怒ったような・・・
「敦賀さ・・・・」
「どこに行こうとしたの?駅とは離れて行っているよ?」
「・・・・・・・・・」
じっと自分の顔を見つめるキョーコに、蓮は違和感を感じた。
「最上さん?」
名前を呼ぶと、はっとした表情をしてキョーコは自分の空気を変えた。それは京子の表情で・・・
「ちょっと用事を思い出しただけです。敦賀さんこそどうしたんですか?」
「用事って何?」
「私用なことなので敦賀さんには関係ないですよ」
にっこりと笑顔をつくる。
「それは今すぐしないといけないこと?」
蓮はじっとキョーコの顔を見て問いただす。
キョーコは本能的に蓮が怖いと感じた。
「い・・・いえ・・・、じゃ・・・じゃあもう帰ります。お疲れさまでした!!」
「待って!!」
キョーコが離れる瞬間、蓮はキョーコの手を握った。それはとても冷たくて・・・・
「な・・・なんですか・・・?」
「もう帰るんだろう?それなら送るよ」
「い・・・いえ、大丈夫ですよ」
「・・・先輩の申し出を断るの?」
「・・・・」
拒否はゆるさないとばかりに似非紳士スマイルで返してくる蓮は非常に怖かった。
だけどキョーコはどんなことをしてでも蓮から離れたかった。
つながれた手の暖かさも、今のキョーコには辛いものでしかなくて・・・
「大丈夫です!!ちゃんと帰りますから・・・っ」
精一杯の笑顔を蓮に見せた。
でも蓮にはキョーコが今にも消えてしまいそうに見えて。
ここで手を離してしまったら、きっとキョーコは雪のように消えてなくなる、そんな気さえした。
「・・・っ敦賀さ・・・っ」
気づいたら蓮はキョーコを抱きしめていた。
「・・・こんなに冷えて・・・。風邪引くよ」
「大丈夫ですってば」
じたばたともがくキョーコの身体を開放して、手をぎゅっと握った。
「行くよ」
手を引っ張られて駅の方向へ戻る。
「敦賀さん、離してください」
キョーコの言葉に蓮は答えずにどんどん歩いていく。
「敦賀さん・・・っ」

握られた手が暖かくて・・・自分はこんな感覚知らなくて・・・
知りたくない、こんな感情。
欲しくない、こんな温もり・・・・
だってこの手がなくなったらまた自分は独りになってしまう。
独りだということを再確認させられてしまう。
そんなに優しくしないで。
「私なんか・・・ほっといてください・・・・」

キョーコの小さな小さな呟きは、蓮にはしっかりと届いて・・・
「ほっとけないよ」
・・・とぽつりとこぼした。
蓮はキョーコを振り返り、キョーコの両手を取った。
「・・・敦賀さん?」
少しだけかがんでキョーコの両手を自分の口元に持っていく。
はあー・・・と息をかける。
「・・・っ」
その行為にキョーコは顔を真っ赤にする。
「こんなに手が冷たい。あったかいもの食べに行かない?」
「え・・・?」
「寒いし。俺の車であったかいもの食べに行こう。つきあって」
優しい笑顔でそう言われれば、なぜか嫌だとは言えなくて・・・
そのまま引っ張られるように歩き出す。
「どこに・・・行くんですか・・・?」
「ん~一度行ってみたいところがあってね」
「どこですか?」
駅に停めた蓮の車の助手席にキョーコを乗らせ、蓮も車に乗り込む。
「だるまや」
「え・・・?」
「君のおうち。だるまやさん」
「・・・・私の・・・おうち・・・?」
「そう。君の大好きなだるまやさん」
車を走らせ、だるまやに向かう。
「・・・おうち・・・」
もう一度キョーコはつぶやいた。
なんだか、すっと気持ちが軽くなってくる気がした。

「た・・・ただいま戻りました」
蓮がいるため、今日はお店のほうから入る。だるまやの中は外とは違いとても暖かかった。
「おかえり。キョーコちゃん!!寒かったろう?」
おかみさんがそう笑顔で出迎えてくれた。
キョーコはほっとして笑顔になる。蓮はそれを静かに見守っていた。
「おや、今日は敦賀さんも一緒かい。サービスするからいっぱい食べてってね」
「ありがとうございます」
以前パーティで面識があるため、和やかに話をしている。
「キョーコ。今日は手伝いはいいから敦賀さんと一緒に飯を食え」
「え・・・でも・・・」
「いいから」
「そうそう。キョーコちゃん。食べてあったまりなさいな」
「・・・・ありがとうございます」
大将とおかみさんの厚意に甘えて、キョーコは蓮と食事をはじめる。
大将の作ってくれた雑炊はキョーコの心も身体も温めてくれた。
「おいしいね」
蓮も笑顔で食べていた。
「・・・敦賀さん・・・ありがとう・・・ございます・・・」
「ん?何がかい?」
「いいえ・・・。何でもないんです」
ただ・・・ここにこうして帰ってこれた。それは敦賀さんのおかげで。
「へへっ」
思わず笑ってしまう。
うれしい。すごくうれしい。
「敦賀さんの手はあったかいですね。お湯に包まれてるみたいでした」
「へ?・・・それは・・・どうも・・・」
あれ?もしかして・・・照れてる?
「・・・・敦賀さんも照れたりするんですね」
「・・・・どういう意味かな?」
あ・・・やばい。似非紳士スマイル!!
「なっなんでもないです!!食べましょう!!」
あわてて食事に集中する。
ああ・・・視線を感じる・・・怖いぃぃぃぃぃ!!
「最上さん?」
「はっっはいぃ」
「君が望むならいつでも温めてあげるよ?手袋代わりにどうですか?」
いえ!!けっこうです!!!
明らかに顔を引きつらせたキョーコに蓮は笑う。冗談だよ、と。

でも・・・こんなにあたたかな場所がある。
あたたかな人たちがいる。

わたし・・・ここにいる・・・

ただいま。


短編 | コメント(0) | トラックバック(0)
コメント

管理者のみに表示
« 感謝v | HOME | ハーレム »

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。