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幸せのカタチ 1

2009/01/13 Tue 21:42

幸せのカタチ 1


どうしてですか?
どうしてこんなにも世界は残酷なんですか?
それともこれは必然ですか?


***

仕事の休憩に丁度入ったときだった。
ブーッブーッとそばにあったマナーモードの携帯電話が鳴った。
着信は社さん。
急ぎの用事かしら…とその電話をとった。

「はい?社さんどうされました?」
『キョーコちゃん!よかった!!』
せっぱつまった感じの社さんの声。
そして、次の言葉を聞いたとたん何も考えられなくなった。

「え…?社さん今……?」
『キョーコちゃん、いい?落ち着いて聞くんだよ?』
落ち着く…?
聞く…?
さっき社さんは…何て言った…………?


『蓮が…事故にあって…意識不明の状態なんだ…』


なに…
何て言ったの…?

レンガジコニアッテ……

イシキフメイ………?

『キョーコちゃん!キョーコちゃん!!』

遠くで社さんの声が聞こえた…



『蓮が意識不明の状態』

そう聞いてから正直どうやって病院まで行ったのか覚えていない。
目の前にはベットに横たわって目を閉じている
私の愛するたったひとりの…

「ク…オン…?」

名前を呼んでも唇は閉じたままで……返ってくる声はなくて……

でも、触れた手は暖かくて。
この人が生きていることを感じさせてくれた。

「よかった……。生きていてくれて…」
涙がボロボロこぼれて視界が揺らぐ。

ICUで酸素マスクと点滴、心電図モニターで繋がれている身体。

着いてすぐに社さんが大丈夫だからって言ってくれた。
でも、やっぱり自分で確かめるまでは怖くてたまらなくて。
死んでしまうんじゃないかって。
そんなことないって思ってるはずなのに、
それでも死んでしまうことを考えずにはいられなくて。

ねえ…お願い…
早く目を覚まして…?
いつもの優しい声で私を呼んで?

久遠の手の暖かさを頬に感じて、
ただ……それだけを願っていた…………


今日は仕事が夕方までで、蓮のやつオレを事務所に送った後に家に帰ったんだ。
その帰り、信号待ちで停まってた蓮の車に左折した車が斜線はみだして突っ込んできて。
車は大破したけど、奇跡的に蓮の外傷は大したことなくて。肋骨に数本ヒビが入ってはいるんだけどね。全身検査した結果、内臓の損傷もないみたい。あとは蓮が目を覚ましてくれればね。

そう、社さんは説明してくれた。

事故にあって3日。
まだ久遠は目を覚まさない。
頭のMRIもCTも脳波の検査も特に異常は見られなくて。
医師もなぜ目を覚まさないのか不思議だともらしていた。
マスコミも連日敦賀蓮が事故に遭ったこと、入院していることを報道している。
蓮のファンもテレビの前で泣いていた。
はやく元気になってまた活躍してほしいと。

「久遠・・・目を覚まして・・・?」

誰も居ない病室で小さな声が響いていた―――――――

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