スポンサーサイト

--/--/-- -- --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告
Rosa Iolite 様のRosalisa様より、フリーSSをいただいてきましたvv

Rosalisaさんは10月3日がお誕生日v
そして、Rosalisaさんのブログが半年を迎えられた記念日でもあります。
ワタクシから、ささやかではありますがイラストをプレゼントいたしました><

そんなハッピバースデイを迎えられたRosalisaさんのお宅で、素敵なSSがフリーに!!!

がっつり逃さずいただいてきましたvvv

RosalisaさんのHalf BD&MyBD記念フリーSSは、下記よりどうぞvv




nuit de la plaine lune



今日は十五夜――中秋の名月

その日の仕事を終えた蓮はいつもよりも急いで自宅へと向かっていた。
「ラブミー部の依頼」として今頃夕食を作ってくれているであろう愛しい少女に一秒でも早く会いたくて――
本当はラブミー部の依頼、などという仕事としてではなく、恋人として自由に出入りしてほしい、いやいっそのこと一緒に暮らしてくれたって、と思うものの、肝心の本人がうん、と首を縦に振ってはくれないのだ。

それは数ヶ月前、偶然彼の部屋に泊まる事になったキョーコがこれまた偶然にコンタクトの調子が悪くそれを外した状態で一晩を過ごす事を余儀なくされた蓮の本来の瞳の色を見てしまったことから始まった。

そこで本当ならばまだ先になる筈だった自分の素姓の何もかもをキョーコに話した蓮は、その時に彼女への想いも合わせて告げたのだが――

いくら蓮があのコーンであり、「先生」「とうさん」と言って彼女が慕うクー・ヒズリの実子である久遠・ヒズリであると知ってもキョーコは彼の想いを簡単には受け入れることはできないと言う。さすがにいきなり一気に知らされて頭が混乱している状態のキョーコに蓮はそれ以上強くアピールすることはできなくて、それだったら徐々にでもいいから、と恋人前提のおつきあいをしてほしいと提案して今に至っていた。

(あれからもう何ヶ月も経つけど、家にくるのは「ラブミー部の依頼」とか「役作りの相談」とかでしか来てくれないし、俺がそろそろ恋人になってくれてもと言っても「まだそうなる覚悟が...」という返事ばかり。...贅沢は言わないが、もう少しくらいなんか進展とかあってもいいと思うんだけどな...)

そう蓮は思いながらも、キョーコが過去に受けた心の傷を考えればそれも仕方がないのかもしれないと思えた。それに目立った進展はなくとも、後退はしていないのだ。

蓮が望めばキョーコは仕事や学校などの都合で無理な時以外は必ず家に来てくれるし、たまにではあるが泊まってくれる(勿論寝るのはゲストルームではあるのだが)時だってあるし、最近では蓮からのスキンシップや他の女性が聞いたなら腰が砕けてしまう様な甘い言葉をも素直に受け入れてくれる事が多くなってきていた。

焦りは禁物だ、と蓮は箍が外れてしまいそうな理性を懸命に堪えながらキョーコの準備が出来るまで只管待つしかない、と思う反面、自制などやめて心のおもむくままにキョーコに愛を請うて乞いたい、という気持ちも大きくなる一方だった。



「ただいま」

玄関のドアを開けて、部屋へ入る。
いつもであればそこでお帰りなさい!と元気な声で愛する少女が出迎えてくれるのだが、何故か今日はそれがなかった。

不思議に思いながらもリビングへとやってきた蓮は、そこでとても落ち込んだ様子の――そう、それこそこの世の終わりと言うくらいの落ち込み具合といえる――キョーコを見つけた。

「...最上さん?どうした――」
「――敦賀さんっ、わ、私、どうしたらっ......!」

大きな瞳を目一杯見開いてうるうると潤んだ瞳でキョーコに見上げられた蓮は、思わず彼女の華奢な身体を抱きしめてその唇に口づけたくなるのを必死で堪えながら彼女が落ち込んでいる理由を尋ねる事にした。



*****




「...え?プリンセス・ローザが...?」

うろたえ慌てた様子のキョーコを宥めながら聞き出した話をまとめるとこうだ。

今日は十五夜だから、月見団子を作ってお月見をしようと思ったキョーコ。
勿論お団子は手作り。団子を作り終えて、夕食の準備も終わり、用を足しにトイレへ行ったキョーコは洗面所の鏡に映った自分の姿――胸元を見て驚いたのだと言う。

今日の彼女は以前彼女の誕生日に蓮がクイーン・ローザに忍ばせて自作だろう、とキョーコの周辺の人物に言われている「伝説」まで引っ張り出してプレゼントしたプリンセス・ローザの魂の結晶(とキョーコは今でも信じ切っている)のネックレスを身に着けていたのだが、そのワイヤーの台座のところに「結晶」はなく――
キョーコが今日この部屋に来て料理を始める前に洗面所へ行った際には確かにそこにあったというから、この部屋のどこかで無くしたのは間違いがないらしく、心当たりは全て探したのだがどうしても見つからないのだ、と言う。

「...ど、どうしましょう...!せっかくプリンセス・ローザの魂が結晶になって私のもとへ来てくれたのに...!わ、私のせいでっ...またプリンセスが......っ」

大粒の涙がポロポロとキョーコの頬を伝って落ちる。
それを見て蓮は今度こそ彼女の身体をそっと引寄せ抱きしめた。

あの伝説は自分が考え出した単なる作り話だから、そこまで気にすることないよ、と言って彼女の悲しみを少しでも和らげたいと思った蓮だったが、きっと彼女の事だ。プリンセスの生まれ変わりの結晶でないと知っても人からの贈り物を失くして平気でいられるわけはないだろう。そう考えると、蓮が今できる事と言ったら――

「大丈夫――プリンセスは必ずこの部屋のどこかにいる筈だから...」

そんな言葉をかける事くらいだった。



*****



その後二人で部屋中を探してみたが、プリンセス・ローザは見つからなかった。
きっと悲しくて食事のことなんて忘れてしまっているだろうと思ったキョーコだったが、

「私が傍にいて敦賀さんが食事をなさらないなんて...そんなこと絶対にさせませんからっ...!」

と、涙で赤く濡れた瞳をしながらも作り上げた料理をテーブルに運ぶ。

「「...いただきます」」

いつもよりも声に元気がないのは仕方がない事だろう。
それでもやはり好きな娘(こ)には笑っていて欲しくて、蓮は窓の外の十五夜の月を指差して、食事の前にお月見をしようよ、とキョーコをベランダへと誘った。

地上数十メートルの高層マンションの最上階から見る夜空に大きく輝く月にうっすらとかかる雲――まるで絵に描いた様な中秋の名月は、キョーコがいつも見ていたそれとはやはり大きさが違うように思えた。
折角だから、とその月を見ながらキョーコの作った月見団子を食べる二人。

蓮も山のように積み重なっている団子を1つ手にとって口にしたのだが――

カチッ。

口の中で明らかに団子とは異なる歯ごたえのなにか。

(もしかして...!)

蓮は行儀が悪いとは思うものの、多分自分の推測は違っていない事を確信しながらそっと口にした団子を再び手の上に戻した。そこには白い団子の中に小さな薔薇色の輝石が1つ。

蓮はキョーコに気付かれないようにその食べかけの団子から石を取り出して残りの団子を再び口に含み咀嚼し飲みこんだ後、別の団子を手にし一口かじってからその中へと石を隠した。そして――

「最上さん、見て――!」

まるで今見つけました、と言わんばかりに、キョーコにその石を忍ばせた団子を見せた。

「プリンセス・ローザ...!こんなところに...!」

さっきまで悲しみの涙で濡れていたキョーコの瞳は今度は歓びの涙が浮かべた。
蓮は今度はキョーコの見ている前で、食べかけの団子から「プリンセス」を取り出してハンカチで拭きとった後にキョーコにそのまま手渡した。

「よかった...!本当に、よかった...!」
手のひらの上の「プリンセス」を愛おしげに見つめるキョーコを見て、蓮は何かを思い出したかのように話を始めた。

「きっと団子を作っていて気付かないうちに台座から落ちて紛れ込んでしまったんだね。飲み込む前に気付いてよかった。...ねぇ、ところで最上さん。とある国にはね、みんなで分けて食べるお菓子の中に1個だけ宝石とかの貴金属が入っていて、それが入っているところを食べた人が望みがかなう幸運を授かる、という風習があるんだけど...それってなんだかこれに似てないかな?」

「そういえば、似てますね...!入っていたのはプリンセスの結晶で、偶然に起こったものですけど。」
「...じゃあ、俺もプリンセスを見つけ出した恩恵で幸せになれるかな?...願いがかなうかな...?」
「...はい。それはもう!プリンセス・ローザのご加護もあるんじゃないかと思いますよ!」
「...だったら――」

蓮は手のひらで握った状態の石ごとキョーコの手をとると、俄かに片膝をついて跪き、その手に口づけた。

「...えっ、敦賀さん...?」

いつもだったら見上げるばかりの蓮の顔が今は自分の目線より下にあり、跪いて手に口づけるその様子はまるでキョーコが幼いころから夢見ていたおとぎ話に出てくるような王子様や騎士(ナイト)のようでキョーコの心臓は激しい音を立てた。

「...俺の幸せは...君なしでは考えられないんだ。ずっと君だけを想ってた。今までも、これからも。たぶん君が想像しているよりももっと強く、ね。好きになる気持ちは、どこまで深くなるんだろう。そんな事を考えるようになったのも全部君に出会えたからなんだ。だから...キョーコ―――」

俺の望みを叶えて、という言葉は――口づけられた手の甲の皮膚から直接心に響くように伝わった。

「わ、私で本当にいいんでしょうか...?」
顔どころか全身を赤く染め上げながるキョーコ。胸の鼓動も激しく治まる気配はなかった。

「まだ俺の言葉を信じられない?俺の気持ちがいつか君から離れていくとでも?それともやはり俺では君を愛する資格がない...?」

「そ、そういう訳では...!」
「じゃあ俺と一緒に幸せになろう...?きっとプリンセス・ローザもそれを望んでいるだろうから。」
「プリンセス・ローザが...?」
「うん。もしかしたら君の幸せを願ってこんなところへ自ら隠れたのかもしれないだろう?」

幼くして神に召されたプリンセスと、その悲しみ故に枯れ果てる様に亡くなってしまったクイーンがその「奇跡」の結晶を持つキョーコの幸せを願わないわけはない、と言う蓮の言葉にキョーコはずっと頑なだった気持ちがまるで氷が融けるように解れていくのを感じた。

「わ、私、本当は...ずっと自分の気持ちに気付いていたのに、いつか自分に注がれた愛情が離れていくのが、傷つくのが怖くて...逃げていました。でも、自分の心に溢れ出す想いはどんどん膨らんでいってどうしていいのかわからなかったんです...。敦賀さんの事好きな気持ちがどんどん深くなってとまらなくなって......」

蓮の本当の素姓を知らされたキョーコはそれ以来瞳に少しでも負担をかけないようにと自分といる時くらいはカラーコンタクトを外した方がいい、と彼に提案していたことから今も蓮の瞳は本来の色であるのだが、その透き通るような碧の瞳に懇願するように見上げるられて見つめられては何かを隠そうとしても全て暴かれてしまう様な気がして、気がつけば今まで抱え込んでいたものを全て吐き出してしまっていた。

立ち上がった蓮がそんなキョーコの身体をきつく抱きしめた。

「...じゃあもう逃げないで。ずっと俺の傍に...」
「...はい...。ずっと離さないでください...」

そしてそのままごく自然に二人の唇が重なった。

暫く続いた口づけの後、すっかり身体の力が抜けて自力ではもう立てなくなってしまったキョーコの身体を抱き上げ寝室へ向かおうとした蓮にキョーコは、

「...あ、お食事...!お団子だってそんなに召しあがっていないのに...」
こんな時でも食事の事を忘れないのが彼女らしいと蓮は思うが、彼とてこれからようやくずっと待ち望んでいた「ご馳走」にありつけるわけであり、今日は大目に見てほしいと思い、

「後で必ず食べるから。今は君が本当に俺の腕の中にいるってことを実感させて?」
そう言ってその時既にベッドにキョーコの身体を横たえていた蓮は彼女に覆いかぶさり口づけようとしたのだが、

キュロキュロキュルキュキュ~

「......プッ......ハハハッ」
「...だからお食事を、と言ったのに.../////」

いつか聞いたまるでブレーキ音のようなキョーコの空腹を知らせる音をタイミング良く(悪く?)聞いて、暫くの間「おあずけ」にせざるを得なくなったのだった。

食事をしに寝室を後にした二人を見送る様に、ベッドサイドのテーブルに置かれたハンカチの上で薔薇色の輝石がちょうど窓から差し込んだ月の光に照らされて輝いていた。


【Fin.】



ロサさん!!何度も言わせてもらいます!
誕生日おめでとーvv半年おめでとーvvv
綺麗なお月様を眺めながら、月の光に照らされて、なんてロマンチックvv
ニヤニヤしながら読ませていただきましたよ!!
いつも素敵な貴婦人ロサさん。
これからもよろしくお願いしますvv
ステキな頂き物 | コメント(3) | トラックバック(0)
コメント
ありがとうございます~vvv
コマドさん、飾ってくださってありがとうございます~vv

いつもは9月の十五夜が何故か今年は...
月はロマンチックですよね~!

こちらこそこれからも末長くよろしくお願いします~vvv

大好き~vv ちゅv
もう1つありがとです~vv
何と言う事でしょう!
肝心の素敵イラストのお礼を忘れておりました...!
(相変わらずのそそっかしさでゴメンナサイ><)
可愛いキョコにメロメロになりましたよ~vv
コマドさんにもメロメロvv

Re: もう1つありがとです~vv
ロサさん♪

いえいえ^^

喜んでいただいただけで充分ですvv
私もロサさんにめろりんこv

ぶちゅーーーvvv

管理者のみに表示

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。