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優しい時間 12

2009/08/24 Mon 10:32

ちわ~vv
最近、ちょっとだけ涼しくなってきましたね☆

昼間の炎天下はきついけど、家の中に入ってくる風がす涼しくなりましたvvv

今日は優しい時間の更新です。
ちょっと・・・長くなってしまったけど・・・。

あ、レオさんのカエルさんお持ち帰り事件は、まだ続いております・・・orz







体を包む何かがとてもあたたかくて
もうこのまま眠ってしまいたかった。




優しい時間 12




初夏の夜はまだ肌寒く、しかもこんな真夜中に外で眠る少女。
必死に自分を守るように自分の体を抱きしめて。
「キョーコ・・・」
その小さな体を抱き上げて抱きしめる。
本当に軽いキョーコの身体。
あのころよりも成長しているけれど、俺の想像の中の彼女とは寸分も違いはなくて。

やっとやっと逢えた。
キョーコがここまで来てくれた。
こうして抱きしめることができたことが嬉しくてたまらなかった。

「蓮・・・この子がキョーコちゃんなのか?」
「はい。間違いなくキョーコです」
「そうか・・・とりあえず事務所に入ろう。ここじゃ誰がどういう風に見てるかわからないから」
「はい・・・」
なるべく振動を与えないようにゆっくり歩いて事務所に入る。
事務所の中の一室に入り、ソファに横たわらせる。

しっかりと閉じられた瞳。
静かな寝息。
顔にかかる髪の毛をそっとかき上げる。
本当ははやく瞳を開けて欲しい。
瞳を開けて俺を見て?
君の声で俺の名前を呼んで?

「蓮・・・」
社さんに名前を呼ばれて、俺は返事をすることなく視線を向けた。
「オマエのそんな顔始めてみたよ」
「・・・・・・・・」
「よかったな」
優しく微笑んで社さんがそう言ってくれた。
「はい」
もう一度視線をキョーコに向けてなめらかな頬をそっと触る。
こうしているだけで、また涙が出てきそうだった。


「あ・・・社さん・・・俺、車を動かしてきます」
路肩に停めていた車のことを思い出した。
車をそのままに、キョーコを抱き上げてここまで来てしまった。
「そうだったな。うん。わかった」
「・・・・・・・言っときますけど」
「なんだ?」
「キョーコに手なんか出したりしたら、いくら社さんでもただじゃおきませんからね?」
「!!!!手なんか出すか!!!」
「大声は出さないでください。キョーコが起きます」
ひとこと忠告すると、社さんははっとしたように自分の両手で口を押さえていた。
社さんがそんなことをするような人ではないとわかってはいるのだが。
でなければキョーコと社さんを二人きりになんてすることはないから。

「じゃあ、行ってきます。すぐ戻りますので」
そう言って俺は車を事務所の駐車場に移動しに行った。
車を駐車場に停めて思い出したのは両親のこと。
キョーコが見つかったことを早く知らせてやらなければ、と思った。
すぐさま父に電話をすると、間髪入れずに電話に出た。
『蓮!!元気にしているのか!?』
「ええ。元気ですよ。今大丈夫ですか?」
『もちろんだとも!』
「キョーコが見つかったんです」
『え・・・・?』
「ちゃんと聞こえました?キョーコが見つかりました」
『・・・・・本当か・・・?』
「こんなこと冗談では言いませんよ」
『・・・・・・っ』
きっと泣いているのだろう、父さんの声。
『よかった・・・!本当によかった・・・!!』
ずっとずっと父さんも母さんもキョーコのことを気にしていた。
元気にしているだろうか、辛い目にあっていないだろうか・・・。
クリスマスには贈ることはできなくてもキョーコへのプレセントを用意してた。
いつか全部渡すのだと、そう言いながらモミの木の下にキョーコへのプレゼントを飾っていた。
『今キョーコは?』
「今・・・眠っています」
『元気なのか?』
「・・・・見た目は・・・でもまだわかりません・・・」
『それはどういう意味だ?』
父さんの言葉で、先ほどの出来事を思い出す。
どうしてこんな時間にキョーコはこんなところにいたんだろう。
現状は、逢いにきてくれたとそう簡単に喜べるようなことでもなかった。
中学生の女の子がこんな時間に外を出歩くことがどんなに危険なことか。
今じゃなければいけなかった理由がきっとあるはずだ。
「キョーコと、さっき逢ったばかりなんです・・・。事務所の前で・・・眠っていました」
『さっきって・・・・そっち今何時だ?』
「今2時過ぎです」
『2時・・・・!そんな時間に・・・!!』
「ええ。とりあえず母さんにも伝えておいてください。って言ってもどうせ近いうちに来るんでしょう?」
『あたりまえじゃないか!!仕事つめてでも休みをもぎ取ってくるからな!!』
「はい。待ってます」
『蓮・・・』
「はい」
『それまで・・・キョーコをたのむ・・・』
「言われるまでもありませんよ」

ずっとキョーコを探していたんだ。
絶対に手放したりしない。
もう離れるなんて絶対に嫌だ。
携帯電話をしまって、俺はキョーコのいる部屋に向かった。




***




嫌だ!!
もう嫌だ!!

助けて蓮兄!!

私を独りにしないで・・・・!!!



はっと目を開けると、明るい光とともに視界に入った知らない天井。

どこ・・・!?ここ・・・

私なんで・・・

「キョーコちゃん?」
「え・・・?」
声のしたほうを見ると、眼鏡の優しそうなお兄さんがいた。
「よかった・・・目が覚めたね。気分は悪くない?」
「・・・・・・」
このひと・・・誰・・・?どうして私の名前を知ってるの・・・?
ぎゅっと自分の腕を抱きしめる。
「あ・・・ごめんね。突然知らない男にいろいろ聞かれても怖いよね?・・・俺は社倖一。蓮はもうすぐ戻ってくるから待っててね」
「・・・・・・え・・・?」
蓮、確かにそう聞こえた。でも、そんな、まさか・・・・。
「れ・・・ん・・・?」
「うん。敦賀蓮。知ってるでしょ?キョーコちゃん」
「!!」
蓮兄・・・。じゃあ、この人は蓮兄の・・・
「俺は敦賀蓮のマネージャーをしているんだ。よろしくね、キョーコちゃん」
「・・・・っ」

まずい!と思った。
ここにはいられない!!
よりによって蓮兄の関係者に見つかるなんて!!

「私・・・!違います!!キョーコなんて名前じゃありません!!」
「え・・・?でも・・・」
「本当に違うんです!すみません!!ご迷惑おかけしました!!」
「ちょっとまって・・・!キョーコちゃん!!」
お兄さんの呼び止めになんてかまってられず、私はソファから立ち上がってドアに向かった。
早くここから離れなくちゃいけない!
蓮兄がここへ来る前に。
蓮兄と顔を合わせる前に!!

ドアを開けて廊下に飛び出したとたん、目の前が真っ暗になって、どん!と勢いよく何かにぶつかった。
そのとたんになぜか懐かしささえ感じる、言葉では表せないような何かが体の中心に流れ込むような感じがした。

「キョーコ」
「・・・っ」

テレビで何度も聞いた大好きな声がすぐ近くで聞こえた。
無意識に声のした頭上を見上げる。

「・・・・・・・・あ・・・・」

そこには・・・蓮兄がいた・・・・

まっすぐに私を見ていた。

何度も願った。私を見て欲しいって。
ここにいるよって・・・そう思った。
なのに・・・どうしてかな・・・。
嬉しくて・・・本当は嬉しくてたまらないはずなのに。
どうしてこんなに・・・・・・。

「すみません。ありがとう・・・ございました・・・・」

見ないで。
私をあなたの視界に入れないで。
こんな醜い私を見て欲しくないの!!

「私帰ります・・・。お世話になりました」
蓮兄の横を通り過ぎようとしたら、両腕を掴まれた。
「!!」
「どこに帰るの?キョーコ」
「・・・・どこって・・・」
「君をこんな時間に外を歩かせる家に帰るの?」
「・・・・っ」
「キョーコ・・・っ」
「わ・・・私はキョーコじゃありません」
「・・・・・・キョーコ?」
「違います!!人違いです!だから離してください」
蓮兄の腕から逃れようと、必死でもがいてみるけど蓮兄の腕は離れなかった。

離してくれないことが・・・・嬉しかった・・・。

でも、もう嫌だ。
こんな想いをするのはもう嫌だ。
「離して!!」
「離すもんか!!」
「・・・っ」
突然の蓮兄の大声に体が震えた。

今まで一度も蓮兄のこんな大きな声を聞いたことがなかった。
いつも優しい声だった。
こんな声・・・知らない・・・。
こんなに低くなった蓮兄の声なんか知らない・・・。

「君がどんなにそう言っても、俺がキョーコを間違えるはずはないじゃないか」
「え・・・」
突然私の身体は、蓮兄の香りに包まれた。
大きくてあたたかい蓮兄に抱きしめられて、私は身動きさえもできなくなった。
「君を探すためにここにきたんだ」
「・・・・・」
「君を忘れたことなんて一日だってなかった」
「・・・・・」
抱きしめられて苦しそうな蓮兄の声がすぐ傍から聞こえてきた。
震える蓮兄の身体。蓮兄の心臓の音。

嬉しすぎて愛おしすぎて、今までの想いが一気に溢れてきた。
涙が・・・止まらなかった・・・。

「キョーコは・・・俺のこと忘れてた?」
蓮兄を忘れる?
そんなことあるはずない。
いつだってあなたを探してた。
いつだってあなたを呼んでた。
いつだって・・・。

でも・・・・・!!

「離して・・・ください・・・」
「キョーコ・・・?」

蓮兄の腕の力が緩んだのがわかった。
私は蓮兄の胸を押して、身体を離す。
これ以上抱きしめられたら、きっと私は蓮兄の優しさに甘えてしまうから。

ごめんなさい。蓮兄。
せっかくの蓮兄の人生、私のためにこんなところまでこさせてしまった。
日本じゃなくても、きっとよかったのに。
蓮兄ならきっとどこでだって売れてた。

「私・・・元気にしてます。大丈夫です」
「キョーコ」
「親戚の人たちも皆私のこと大事にしてくれています」
「・・・・・・」
「今日は私がこっそり家を抜け出してちょっとだけ散歩をしてただけなんです」
「・・・キョーコ・・・」
「だから、れ・・・敦賀さんは・・・私のことはもう・・・気に・・・しな・・・」

ああ、だめだ・・・
涙が・・・止まらない・・・・
ごしごしと手や腕で涙を拭き取るけど、なぜか涙は止まることなく頬を濡らしていく。
私は大丈夫だって言いたいだけなのに。
蓮兄に安心してもらいたいだけなのに・・・!
「・・・っだから・・・っ」
「一緒に帰ろう?キョーコ」
「え・・・」
ふたたび抱きしめられたと感じた瞬間、落ちてきたその言葉。
「俺の家で一緒に暮らそう?もう、君と離れるのは嫌なんだ・・・」
「・・・・っ」

何も・・・言えなかった。
何も答えることなんてできなかった。


ただ、今すぐに消えてしまいたいと・・・思った・・・。



つづく






ああ・・・もう・・・なんなんだよ。この二人・・・orz←最低なツッコミ




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