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優しい時間 11

2009/08/18 Tue 20:55


病院での待ち時間。
2時間ほど待ったのですが、その間案の定サイト周り。

そしてケータイゲームに手を出しちゃった。
(右脳トレーニングとか簡単なアプリ)

メモ?
なーに?それ←氏ね

家に帰ってメール見たら、おおおおおおお!再会させろと脅しのメールが・・・・・!!!←嘘ですv

とりあえず昼寝しました。


んで、たった今出来上がった11話です。
下記よりどうぞ★




「ただいま・・・」
日付を超えた午前1時。
明日も平日だし、キョーコはもう寝ている時間だ。
予想以上に帰宅時間が遅くなってしまって、俺は静かにゆっくりと家の中に入った。
「え・・・?」
玄関を開けると、真っ暗だと思っていた部屋に灯りがともっていた。
リビングに足を進めると、リビングのライトがついていて、テレビもつけっぱなし。
もしやと思い、ソファを上から覗くと、ぐっすりと眠っているキョーコがいた。
「・・・・キョーコ・・・こんなところで寝て・・・風邪でも引いたらどうするんだ・・・」
キョーコを起こさないように、ゆっくりとキョーコを抱き上げ、彼女の部屋に連れて行く。
とても軽いキョーコの身体。
抱きしめたら折れてしまうのではないかと思う。
それでも抱きしめてしまうのは、キョーコがここにいると感じたいから。
夢ではないのだと、そう自分が納得したいから。

静かにキョーコのベッドに寝かせて、布団をかける。
一度寝入ったらなかなか起きないキョーコ。
こんなふうに眠ってくれるようになったのはいつの頃からだっただろう?
頭を静かに撫でて、前髪を上げる。
「おやすみ、キョーコ。良い夢を」
君が優しい夢を見れるように願いを込めておでこにキス。
今こうして君といられる現実。
ずっとずっと続きますように―――――・・・




優しい時間 11




日本での芸能活動を始めて1年が経っても、相変わらずキョーコの居場所はつかめないまま。
どうしたらいいのかさえもわからなくなっていた。
ただ、外にいるとき。移動中や、仕事の休憩中。
いつも周囲に気をつけるようにしていた。
キョーコを見逃さないように。

ただ、ありがたくもあったが自分でも驚くほど売れてしまい、街中をひとりで歩くこともできなくなってしまった。
「蓮。キョーコちゃんから連絡は?」
「ありません・・・」
社さんも心配してくれていた。
「なあ、仕事も忙しいし、キョーコちゃんも見つからなくて食欲ないのはわかるけどさ・・・この仕事は体力があってこそなんだからせめて人並み程度に食事をとってくれないか?」
「・・・・・すみません・・・・」
もともと少食なのだが、社さんにはいつもこう言われた。
日本食は欧米食よりも好きではある。だけど、やっぱり特別食べたいとは思わなかった。
もう俺が食べたいと思う料理はどこにもない。
食事が楽しいものだと思えることもなかった。
「キョーコ・・・どこに居るんでしょうか・・・」
問うても返ってくる答えがないのはわかっているけど、それでもため息と共に出てくるその疑問は消えることはなかった。




***




蓮兄を見かけてから3日が経った。
3日経つと、あれは夢だったのかもしれないと思うようになった。
逢いたくて逢いたくて逢いたくて、私はきっと夢を見た。
毎日見るポスターも、笑っているけど私への笑顔じゃない。
私だけに笑ってくれる日なんてもう来ない。
忘れなくちゃいけない。私にとってそれがいちばんいいことなんだ。

暗い部屋の中、布団に入る。
静かな静かな部屋。響くのは自分の鼓動の音だけ。
自分自身を抱きしめて眠りにつく。
明日目が覚めたとき、学校を卒業して大人になっていたらいいのに・・・・。

あるのはささやかな願いだけ。
なのに、ほら現実はどうしてこんなに私に優しくないんだろう。



「キョーコちゃん。話があります」
突然お世話になっている家のおばさんに、居間に来るように告げられた。
ああ、このパターンはまたどこか違うところに行けというもの、とそう思った。
今回の東京は4ヶ月。どこよりも短かったなあ・・・なんて思いながら居間に行くと、そこには怖い顔をしたおじさんが居た。
「座りなさい」
重い空気の中、私は言われたとおりに床に正座する。
「キョーコ。なぜ呼ばれたかわかるな?」
私は引越しのことだと思い、こくんと頷いた。
「そうか。認めるんだな?」
「え・・・?」
認める、その意味がわからなくて、私はおじさんの顔を見た。
「認めるって・・・何がですか・・・?」
「お前がやったんだろう?俺の財布から金がなくなってるんだ」
「え?」
「まったく、仕方なく面倒見てやっているってのに恩を打で返すようなマネをするとは」
「っ違います!私じゃありません!!」
「じゃあ他に誰がするって言うんだ!!」
「違います!!」
お財布?お金?そんなこと知らない!!!
「素直に認めなさい!あなたがやったんでしょ!?ちゃんと返せば今回だけは許してあげるから!!」
おばさんまで私を疑っていた。
私じゃないのに!
「違います!!私本当にそんなことしてません!信じてください!!」
「お前以外にいないだろう!?こんなことをするのは!!全く、親の居ない子はこれだから」
「!!」
オヤノイナイコハコレダカラ
それはどういう意味?
お父さんとお母さんが居ないから・・・何?
「そこまで落ちぶれることはないだろうに」
「・・・・・っ」
それは侮辱の言葉。
私を愛してくれた父と母への侮辱の言葉。
私は何もしていない。これまでだって人の道に背くようなことは一度もしてこなかった。
頑張ってきた。ずっとずっと頑張ってきた結果がこれなの?


・・・ああ・・・もう、いいや・・・。


「キョーコ。ちゃんと返すんだ。いいな」
「・・・・・・・・」
「こら!ちゃんと返事をしないか!!」
「・・・・・・・・はい」
「じゃあ、今回は許すから。部屋に行って反省しなさい」
「・・・・・・・・・はい」

もう、なにもいらない。
もう、なにも欲しくない。

どうして・・・私・・・ここにいるのかな・・・
私の居場所・・・どこにあるのかな・・・

ああ・・・そうか・・・
もう・・・どこにもないんだ・・・

わかってたはずだった。
誰にも私の声は届かないってこと。
それなのに求めてしまった。たったひとりに。
夢を・・・見続けてしまった。
あまりにも・・・馬鹿だった自分。

「終わりに・・・しないといけない・・・」
私はいつのまにか外を歩いていた。
気づけばいつもの駅。蓮兄のポスターの前。
変わらない笑顔。
その笑顔を私に向けて欲しかった。
私を忘れててもいいから、一度だけでも私を見て欲しかった。
どうして同じ日本にいるのにあなたには手が届かないんだろう。
流れるのは涙。
零れ落ちるのは蓮兄への想い。

全部全部終わらせよう。
もう私には何もなくすものなんてない。
大事なものは両親と共になくしてしまったのだから。
だから、せめて私の元に何も残らないようにしなくては。
かすかな希望も、夢さえも。

「コーン・・・あなたを蓮兄の元に連れて行ってあげるね」
今私のポケットには少しのお金が入った小さな私の財布と小さな石。
駅の時計を見ると午後11時を回っていた。

どこに行けばいいかなんてわからなかった。
蓮兄の所属する事務所がどこにあるかなんてことも知らない。
でも、きっと誰かに聞けばわかると思うから。
今は進めるだけ進まなきゃ。



***



「はい、OKでーす!今日はこれで終わりです。お疲れ様でした!」
スタジオ内でのドラマ撮影が終わったのは午前1時。
今日は雑誌の取材も入っていてスケジュールも押していて、本当に疲れたと感じた。
はやく帰ってシャワーを浴びて、ベッドに体を投げ出したいと思った。
「蓮、お疲れさま」
「社さん。お疲れ様です。帰りましょうか」
「ああ。でも今日はLMEに俺を降ろしてくれないか?」
「え?これからまだ仕事ですか?」
「ああ、ちょっとな・・・まあ、明日はお前は直で現場に行ってくれていいから。俺も直接向かうから」
「はい。わかりました」
帰り支度をしてLMEに着いたのは、すでに午前2時を回っていた。




「ありがとな、蓮。明日は10時にスタジオに入ればいいから、しっかり寝ろよ」
「はい。お疲れ様でした」
車のドアが閉められたのを確認して出発しようとしたとき、バンバンバンッと窓ガラスを叩く音。
それは間違いなく社さんで、何事かと助手席サイドの窓を開ける。
「どうしたんですか?社さん・・・」
「なあ、蓮・・・・」
「はい?」
「俺・・・疲れてるのかな・・・」
社さんはなぜか俺のほうを見ることなく、まっすぐに事務所の正面玄関の方を見つめたまま言った。
「・・・・・・・・午前2時に・・・・女の子が見えるんだ・・・・・」
「え?」
社さんの視線をたどり、正面玄関を見ると確かに女の子がいた。
「・・・社さん・・・俺にも見えます・・・」
「そ・・・そうか・・・蓮にも見えたってコトは幻覚ではないってことだな」
「でも、こんな時間に・・・どう見たって中学生くらいの・・・・・」

ドクン・・・・・

―――――え・・・・?

ドクン・・・・・

―――――なんだ・・・?

ドクン・・・・・

なんだかとてもひどく心臓が鳴った。
ここからじゃ顔も見えないのに。
なぜかとても懐かしいような気がした。
行かなければ!そう思った。

「お、おい!蓮!!」
気がつば俺は車を降りて、その女の子の方に向かっていた。

ドクンドクンドクンドクンドクン・・・・!

痛いほど強くなる心臓の音。

彼女の前で立ち止まったとたん、俺の目からは涙がこぼれた。

「キョー・・・コ」
そこには、ずっと逢いたかった女の子。

小さく丸まって眠っている、愛しい彼女がそこにいた・・・・・





つづく






脱兎!!!
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