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優しい時間 5

2009/07/14 Tue 00:10

最近、色んな宿題を自ら引っ張ってきてしまってるな!!と思いつつ、楽しく毎日を過ごしているコマドです。

ああああああ。
もうすぐ仕事復帰・・・・・orz
いやだなあ。行きたくないなあ・・・・・orz

でも、いかなきゃなああああ。

楽しかった分、本当に行きたくないのですが・・・うん。仕事しないとね・・・。

んで、優しい時間に全く手をつけていなかったので、頑張りましたvvv
亀な更新で申し訳ございません。

では、下記よりどうぞ。


力のない自分が情けなくて仕方がなかった




優しい時間 5



「外、すっげー雷なってるぞ!」
ドラマ撮影のちょっとした休憩中、スタッフのひとりがそう言っているのが聞こえた。
さっき、キョーコに電話したときに雨が降っているとは聞いていたけど、まさか雷までなっているとは思わなかった。
瞬時に思い出すのはキョーコのこと。
あの子は雷が嫌いだ。
本人は俺に強がって見せるけれど。
「社さん、俺キョーコに電話してきます」
「え?もう撮影始まるんじゃないか?」
「少しだけですから」
「・・・・キョーコちゃんにか・・・。わかったよ。もし再開されるようならトイレに行ったことにしといてやるから」
「ありがとうございます」
廊下に出ると、確かに稲光とともに雷鳴がとどろいていた。
「・・・ひどいな・・・これは・・・」
自宅の電話にかけると数回の呼び出し音のあと『はい』とキョーコが出た。
「キョーコ!?」
『え?蓮兄?今お仕事中じゃ・・・・』
「いや、さっきからこっちで雷がすごくてね、キョーコが怖がってるんじゃないかと思って」
『こっちじゃ雷なってませんよ。それに怖くなんかありません!いったいいくつだと思ってるんですか!』
冗談交じりで言えば、案の定そう返ってくる言葉。
「そう?ならいいんだけど」
『そうです!』
「そうか。じゃあ、これからまた撮影だから切るね」
本当はまだ話をしていたかったけど、時間は迫っていたから。
『はい・・・・あ!蓮兄!』
「何?」
『外・・・雨がひどいので、無理して運転しないでくださいね。近くに泊まるなり何なりしてくださいね』
「・・・・・・・・」
こんな雨の日、ましてや雷のひどい夜に君を一人にしろっていうの?
俺のことを心配してくれていることはわかるけど・・・。
『蓮兄?』
俺が何も言わなかったことを不思議に思ったんだろう。
キョーコが心配そうな声で尋ねてくる。
「キョーコ、ゆっくり休んでね?おやすみ」
俺はとくに何も返さず、キョーコにお休みを言う。
『は・・・はい。おやすみなさい』
プツ、と切れた電話。
今すぐ、帰りたい。こんな夜に君を一人にしたくない。
こんなときに、動けない自分が腹立たしかった。

夜10時。
だんだん雷もひどくなってきて、停電の可能性があるからと撮影が中断となった。
「社さん!事務所まで送っていきますので!」
「え!?蓮、帰るのか?外すごい雨だぞ!近くのホテルにでも」
「だから帰るんですよ。キョーコを一人にはしておけないんです」
「キョーコちゃん?」
「雷、駄目なんです」
「・・・そうか。わかったよ」
車に乗って事務所に向かう途中、社さんが「蓮は本当にキョーコちゃんが好きだね」と言った。
「キョーコ以上に大事なものなんてないですよ」
稲光がなんども見える。
車の中では雨の音が激しすぎて雷の音までは聞こえないが。
ああ、キョーコ。今、震えていないだろうか?
泣いてはいないだろうか?

社さんを事務所まで送って、家についたのは11時を回っていた。
家の中はすでに電気も消えていて、もう眠ってしまったのかとキョーコの部屋を覗くがそこにキョーコの姿はなかった。
どこに行ったのかと、慌てて家中を探すと、俺の部屋のドアが少しだけ開いていた。
静かにドアを開ければ、俺のベッドの中に、一人分の小さなふくらみ。
ほっとして近づこうとしたら、また大きな雷鳴が聞こえる。
キョーコのほうをみると、びくっと体が震えるのがわかった。
そして小さく「蓮兄」と聞こえた。
ああ、もう。なんて可愛いのだろう・・・。
「ん?」
シーツごとそのふくらみを抱きしめると、もぞもぞとそれが動いて、キョーコが顔を出す。

「ど・・・して・・・・?」
「雷が怖くてね」
「なんでここに・・・いる・・・・の・・・?」
「雷がひどい夜は一人じゃ眠れないからね。キョーコを抱きしめて寝ようと帰ってきたんだ」
「雨は・・・・?」
「まだ降ってるよ。雷がひどくていつ停電にわからないからって撮影は中断したんだ。だから帰ってきた」
「・・・・・・・・・」
「あれ?キョーコ?泣いてるの?」
「!!泣いていませんよ!!あくびです!!」
強がってシーツにもぐりこんだキョーコはまたすぐに顔を出した。
「あ、あのっごめんなさい!勝手に入って!私すぐに・・・」
起き上がろうとするキョーコを、俺は逃がしてなるものかとシーツごと抱きしめた。
「キョーコ。雷がやむまででいいからここにいて?」
「しょうがないですね・・・。今日だけですよ」
強がりで可愛いことを言うキョーコ。
俺が淋しいと言えばいつだってそばにいてくれる。
「ありがとう。キョーコ。おやすみ」
「おやすみなさい・・・・」
君を抱きこんだまま横になっていると、やがて聞こえてきた小さな寝息。
よほど緊張していたんだろう。
俺もシーツの中に入り、キョーコをもう一度抱きしめなおす。
小さな小さなキョーコの身体。
3年前よりも大きくなったけど、それでも、こんなに小さなからだ。

俺のいない6年間に、キョーコの心は悲鳴を上げすぎて、俺と再会したときには悲鳴すらも出ない状態だった。
雷はまだ鳴り響いていて、俺はキョーコを抱きしめる力を強くする。
「キョーコ、ごめんね。一人にして、ごめん」

キョーコが雷を嫌う理由。
俺にあのとき、力があったなら。
君をひとりにしなかったのに。




***



俺がアメリカに帰ってからも、キョーコとは連絡を取り続けていた。
連絡はエアメール。
8歳のキョーコのかわいらしい字で、最近の出来事やキョーコの家族のことをたくさん書いてくれた。俺もキョーコに、俺のこと父さん・母さんのことを書いて送った。
毎月続いていたエアメールのやりとり。
半年続いた後、なぜかキョーコからのエアメールが来なくなった。
はじめは、忙しいのだろうとも思ったが、俺から手紙を書いても返信はなかった。
なんだか嫌な予感がしたのに、そのときの俺は何も行動を起こさずにそのままにしてしまった。
だが、次の月。もう一度エアメールを送ると、その手紙が差出人住所不定で戻ってきた。

電話をしても現在使用されていないとの機械音が返ってくるだけ。
引越しでもしたのだろうか?
でも、それならキョーコは必ず教えてくれるはず。
おじさんやおばさんだってきっと教えてくれるはずだ。
それなのに、不明・・・?

このとき俺は初めて自分が大事なことを見落としてしまったことに気づいた。

「っ父さん!!母さん!!」

俺は慌てて今起こっているであろうことを両親に話して、日本行きの飛行機のチケットをとってもらい、次の日の最初の日本行きの飛行機に乗り込んだ。
京都の自分たちの住んでいた町に着いたとき、もうあたりは暗くて。
キョーコの家には灯りはついていなかった。
インターホンを押しても誰も出てくる気配はない。それどころか、人が住んでいる気配もなかった。

「くそ!キョーコ・・・!」
玄関のところに座り込んでいると、「あら?敦賀さんところの・・・蓮くん?」と自分の名前を呼ばれた。
顔を上げると、近所に住んでいるおばさんだった。
「久しぶりねえ」
「あ・・・!あの!!ここに住んでいた最上さんは?」
「あら。蓮くん、知らなかったのね。最上さんね、亡くなったのよ」
「え・・・・・?」
「交通事故だったのよ。親子3人で車に乗っていて信号待ちしていたら、居眠り運転のトラックが突っ込んできてね・・・」

・・・・・・・・・この人は・・・・何を言っているんだろう・・・?
交通事故?亡くなった・・・?そんなことあるはずはないじゃないか。
おじさんもおばさんも・・・・キョーコ・・・も・・・?
目の前が一気に暗くなる。
だって俺、また逢いに来るってキョーコと約束したのに?
そのキョーコがいなくなるはずなんてないじゃないか・・・。

「それで、キョーコちゃんは奇跡的に無事だったんだけど、旦那さんと奥さんは即死状態でね・・・」

「え・・・・?」
今・・・・・なんて・・・・・?
「キョー・・・コは・・・無事なんですか・・・・?」
お願いだ。無事だと言ってくれ!!

「ええ。キョーコちゃんは無事よ。親戚の家に引き取られたみたいだけど・・・」
「場所はわかりませんか!?その親戚の」
「ごめんなさいね。そこまではわからないわ」

キョーコは、生きていた。でも、どこにいるのかわからない。
ごめん。キョーコ。
俺がもっと早くきづいていれば!!
今すぐ君を抱きしめたいのに!!

どうして俺には力がないんだろう。
どうして俺は大人じゃないんだろう!!
自分の無力さが許せなかった。

それから6年間、何度も日本に来てキョーコの手がかりを探すが見つからず、やっと逢えたのはこの東京の空の下。

そこには、笑顔を忘れたキョーコがいた。


優しい時間 | コメント(1) | トラックバック(0)
コメント
シスコン蓮最高ww
コマが難産なのは伝わってきますよ。
しくだい…私も一杯引き受けてしまい今大変パニくり…ただパソを開けるとメッセを開けてしまうので誘惑弱過ぎ
大人としてどうなんだろうね?おコマさんや

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