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こねこぐら 追加公演美結様から、すてきな相互記念SSが届きました~vv
突然の贈り物で私もびっくりvv
昼真っから寝倒していたぐうたらコマドに・・・うう。本当に起きぬけびっくりでした!!
本当にありがとうございますvvv

ではでは、是非下記より読まれてみてください!
ステキですよvv





カラン、と氷がグラスに当たる音がし、キョーコははっと顔を上げた。
 慌てて時計を見て、そして、がっくりと肩を落とした。

 しまった、と。




きっと、確信犯。



 キョーコは明日から新しいドラマの撮影に入る。そのための脚本に目を通していた。すぐにやめるつもりだったそれは、あっという間にキョーコをその空間から切り取り、一人の世界に隔離され、ついつい読み続けてしまっていた。
 ここが蓮の部屋であるにも拘らず、だ。

 キョーコは周囲をぐるりと見回して、あっ、と声に出さないように気をつけて呟いた。

 それは随分と珍しい光景だ、とキョーコは目を細めた。

 蓮は先程(と言っても、1時間以上前)まで、キッチンで夕食の後片づけをしていた。
 キョーコも一緒にやると言ったのだが、どうしても一人でする、と言ってきかなかったのだ。疲れているであろう蓮だけに任せるのもどうかと思ったが、頑として曲げない蓮にキョーコが折れた。
 そして、キッチンを追い出されたキョーコは、仕方なくリビングに戻ってきて、時間つぶしに明日のために、と台本を鞄から取り出し読みふけってしまったわけなのだが。

 1時間もあれば、夕食の後片づけなんて終わっているだろう。十分過ぎる時間だ。
 いつのまにか──蓮のことだから、キョーコに気を使ったのだろう──リビングのソファーに座って、キョーコがこちらの世界に戻ってくるのを待っていたのだろう。バーボンでも口に含みながら。
 しかし、疲れが祟ったのか、久し振りの酒で酔いが回るのが早かったのか、うとうとと眠ってしまったようだ。
 蓮はここのところ、ずっと忙しかった。蓮と逢ったのは実に2週間ぶりだ。
 いつもいつもメールや電話(といっても留守電)で、お互いの状況を理解してはいたが、こんなところで疲れ果てて眠ってしまうほど疲れているとは思わなかった。
 蓮は明日から、キョーコと入れ違いで休暇に入る。とはいえ、2日間だけだ。そのあとは、ロケに出るという。
 本当にいつもいつも忙しい人だ、とキョーコは悔し気に笑う。
 いつまで経っても、この人に追いつけない。追いつこうと思うと、急に引き離される。

「ごめんなさい、敦賀さん…。」

 キョーコは囁く。

「折角、久し振りに逢えたのに。」

 色々と積もる話もあったし、一緒に居たかった。
 これでは、ただ同じ空間にいるだけで、『一緒にいる』とは言えないだろう。

 キョーコは時計を見て立ち上がり、台本を鞄に戻した。
 そろそろ終電の時間だ。
 蓮が疲れているだろうことは分かっていたから、いつものように送ってもらおうなんて考えていなかった。既に酒を体内に入れているようなので、どちらにせよ無理だと思うが。
 だから、そろそろここを出ないと、タクシーで家に戻らなければならなくなってしまう。

 キョーコは自分の仕出かしてしまったことを反省し嘆息する。
 そして、身支度を調えながら、蓮を気遣う。

 蓮がいくら疲れているからと言って、ソファーに座ったまま、ひじ掛けに頬杖をついている体制のままで眠っていても疲れはとれないだろう。
 寧ろ、明日の朝には、全身の筋肉が強張って、余計に疲れてしまう。
 せめて、寝室に移動してくれれば。

「敦賀さん?」

 キョーコは試しに呼びかけてみた。
 しかし、反応はない。
 キョーコは、眠る蓮の顔を腰を屈めて下から覗く。

 本当に端正な顔立ちだと思う。整っていて、女性であるキョーコが羨ましいと思うほどだ。
 睫毛も長いし。鼻筋も通っていて、綺麗な口唇の形をしてる。

 そんなことを考えながら、間近で蓮の顔を見つめて、本当にこんなに近くにいるのが久し振りなんだと微笑む。と同時に、またしばらく逢えないことに、寂しさを募らせる。
 ロケに出れば、またしばらく逢えないだろう。

「敦賀さん…起きて下さい。」

 これだけ近くで呼びかけても、起きる気配はなく。
 キョーコはしばし思案した。どうしたら起きるかを。

 試しに揺り動かしてみたけれど、矢張り起きることはなく。また、起きずに倒れられても困る、とすぐ止めた。
 いつだったかのように、下敷きになったら洒落にならない。

「ねえ、敦賀さん?…私、そろそろ帰りますから。」

 時計をちらりと見て、本当にそろそろ出ないと終電に間に合わない、とキョーコは焦り始めた。
 そのまま放っておくことだけは、やはり忍びない。
 それだけ疲れているのだから、余計に。ちゃんとベッドの上で眠って欲しい。

 うーん、うーん、と悩んだ挙げ句、いつか見た洋画を思い出し、キョーコはぼっと顔を赤らめた。
 それは、演技の練習用に、と見ていた映画で、確か蓮も一緒にここで見ていたはず。
 随分とさわやかな青春ドラマだった。本当に、青臭いという言葉が似合いそうなほどの。
 けれど、画面の中は常にキラキラと輝いて見えた。それだけ役者が輝ける話だったのだろう。
 今のキョーコには無理かな、と思っていたけれど、蓮は、そんなことはない、と否定した。

 ──そんないつか見た映画のワンシーン。

 あんなことして、起きるとは思えないのだけど、とキョーコは首を捻るが、時間が迫っている。
 あの映画で、施された相手は、飛び跳ねるように驚いて起き上がった。
 現実に、そんな風に蓮が飛び起きたら、キョーコはかなり動揺するに違いないと思うのだが。
 否、それ以前に、自分がかなり動揺している。思い出しただけで、心臓がばくばくと激しい音を立てているのだから。

 ええい、迷ったって仕方ない!

 キョーコはそれ以上本当に何も思いつかなかった。タイムリミットというのは時に人を狂わせるのだな、と思った瞬間でもあった。

 キョーコは先程のように屈み、蓮の顔を下から覗き込むと、すっと顔を寄せて、ちゅっ、と軽く口吻た。

 ………つもりだった。

「………んっ?!」

 次の瞬間、噛みつくようにキスされ、後頭部を捕らえられ、逃げられなくなった。

「んっ!ぁっ…!」

 しかも驚愕のあまり、緩んだ口唇の間から蓮の舌が、するりと介入し、しっかりキョーコの舌を絡められていた。
 吸われるように、息をする間も与えられることなく、何度も角度を変えて貪られ続け、最初は逃げようと必死に抵抗していたが、いつのまにかその力も緩んで、なされるがままになっていた。
 久し振りの蓮の口唇の、口吻の感触が、あまりに柔らかくて、甘過ぎて、いつの間にか、目を閉じて完全に受け入れていた。

「ふぁ……。」

 下唇をちろりと舐められ、ようやく口唇を解放された頃には、頭の中が真っ白になっていた。無論、酸欠もあるのだが、キョーコはいつのまにか腰に回された蓮の腕に支えられて、ようやく立っている状態だった。

「……あ…、あれ?」

 そんな風に起こされた蓮の声は、どこか寝ぼけていて、少し掠れていて。

「…俺、いつの間にか、眠ってたんだね。」
「………。」
「最上…さん?」

 …ね、寝ぼけてただけですか?!今のキスは?!

 キョーコが、顔どころか首までも紅潮させ、顔を驚きで強張らせたまま、蓮を見下ろしていた。

「あれ……帰らなくて…大丈夫?…って、そんな時間じゃなさそうだね。」
「…え?!は?!……なっ?!」

 蓮がちらりと自分の腕時計を見、キョーコは慌てて自分の腕時計を見る。

 丁度、最終電車がホームに到着しているだろう時間になっていた。
 多少電車が遅れていたり、待っていてくれたとしても、ここから駅まではどんなに急いだとしても5分はかかる。流石に5分は待ってくれないだろう。日本の電車が時刻表に正確なのは、世界的に有名な話だ。1分と狂わない、と。

「飲んでなければ、送っていくんだけど。…もう飲んでしまっているしね。」
「………。」
「今から家に帰すのも気が引けるし。」
「………。」
「どうしよう、っか?」

 その瞳は訊ねてません、敦賀さん。
 キュラキュラ似非紳士スマイルでおっしゃられても、全くもって説得力はありません。

 キョーコは呆れ返るを通り越して、途方に暮れた。

「いつ、起きたんですか?!」
「え?ずっと寝てたよ?最上さんがキスして起こしてくれるまで。」
「……っ!」
「だって、俺が呼びかけてるのも気づかないで、台本に集中しているから…、つい。」

 蓮はふっと哀し気な顔をする。

「なっ!…あ!…あれ…はっ!!」
「もうそのことはいいよ。」
「え?……きゃっ!」

 キュラッキュラッのスマイルで、蓮はキョーコを抱え上げた。

「な、何するんですか!」
「何…って、聞きたい?」
「いいいいいいいいえ!!結構ですっ!!!!」
「そう?」

 キョーコは蓮のその笑顔に、ただただ引き攣り笑いを返した。

「夜も遅いからそのまま泊まっていって構わないから。」
「何ですか!その他人事みたいな言い方!」
「でも、明日、早いんだろう?」
「うっ……は、早いですが……。」
「久し振りに、最上さんの作った朝食、食べたいんだけど。いいかな?」
「っ……。」

 そう言われて言い返すことが出来たら、どんなに楽だろう。
 キョーコはただただ嘆息するしかないのだが。
 本当、人を好きになるって、大変。愛されるって、大変。
 でも、すごく嬉しい。

「……明日。」
「なに?」
「8時前には出ます…から……。」

 蓮は明日の予定を口にするキョーコに、ふわりと困ったように笑った。

「……努力するよ。」
「なっ!何がですか!」
「秘密。」
「秘密って…っ!」
「大丈夫、何かあったら、送って行くから。」
「…け、結構で…、…っ!!!!」

 言い争いに夢中で、気づけば蓮の主寝室、そして、ぽすんと、ベッドの上。
 ぎゅっと目を瞑ったキョーコを前に、蓮はぽつりと呟いた。

「…手加減、出来ればいいけど。」
「…………何の話ですか?」
「いや、こっちの話。」

 ちらりと、睫毛の隙間から見えたのは、蓮の辛そうな顔。
 けれど、降ってきた啄むようなキスの嵐に、キョーコはその顔を一瞬で忘れてしまった。

 久し振りのそのあたたかな腕の中で、キョーコはただただ酔わされ続けた。



 そう、これは計画的犯行。きっと、間違いなく確信犯。







キョコといるときはいつでも確信犯ですよ。ええ。
いろんな手を使ってキョコと一緒にいるといいよ(爆)
かわいいSSを本当にありがとうございます゜+。(*′∇`)。+゜
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