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大好きな めい様宅思考の森の旅人より、50万打記念フリーSSを頂いてきちゃいました~vv

めい様のお宅には幅の広いお話がたくさんあって、退屈しません!!

50万打、ほんとうにおめでとうございます~vvv

そして、フリーのこの作品を頂いてきちゃいました^^

では、下記よりどうぞvv


50万打記念フリー作品 君の笑顔が最高の良薬

確かに、今にして思えば、朝起きた時から、体のあちこちに予兆は出ていた。
体のだるさは仕事の疲れが溜まっていたのかと思っていたが、昼を過ぎて喉の違和感、常には感じない寒気、僅かな頭痛を認識するに至って、俺は漸く現実を受け入れた。

「まずいかも、しれない…」
気合いで仕事をこなし、車で移動していた夕方。無意識に呟いたのか、社さんが助手席からこちらを向いて不思議そうに尋ねてくる。
「うん?今、何か言ったか?蓮」
それを聞いて、俺は腹を決めた。隠していても仕方が無いだろう、これは…。

「…社さん、すみません。俺…、風邪をひいたかもしれません」
「え?」

そして全ての仕事を終えた俺達は、2人揃ってタクシーの後部座席に座っていた。
「社さん…、何も車を置いてタクシーで帰らなくても…」
「駄目だ。こういう時は、本人が思うよりも、症状が悪化してるものだからな。大人しくしてろ」
「…分かりました」

そこまで心配しなくても…、とは思ったものの、体調を崩した身としては反論などできる筈もない。事実俺が事態を打ち明けてから、社さんはスタジオの隅や廊下などで電話をかけまくり、あちこちに頭を下げて今夜から明日昼までの仕事を、調整してくれたのだから…。

「しかしお前が体調を崩す事自体、珍しいからな。こんな時位しっかり休め」
それを聞いて俺は、この前体調を崩した時はいつだったかを思い返してみた。すると…、
「そう言えば…、お前がこの前寝込んだのは、キョーコちゃんに代マネを頼んだ時だったな!」

社さん…、あなた俺の心が読めるんですか?

そして、更に容赦の無い突っ込みが続く。
「蓮。お前今、『彼女の顔が見たいな』な~んて事を考えてただろう?」
「…考えてませんから」
「またまた~、しらばっくれて。正直だねぇぇ」

遊ぶ気満々の、その顔を止めてくれませんか?社さん。疲労感倍増です…。

そう言いたかったのはやまやまだが、余計遊ばれるのが確実なので、色々話しかけてくる社さんをかわしつつ、窓の外の景色を見る事に専念した。
顔を見たくなってしまったのは本当だが、早めとはいえ立派に夜の時間帯。まさかこれから下宿先に押しかけたり、彼女を呼びつけるなど論外だろう。

そんな事を苦笑しながら考えているうちに、タクシーがマンションの玄関付近に停まる。しかし車から降りた俺は、次の瞬間自分の目を疑ってしまった。通りの向こうから駆けてくる人影。あれはまさか…、

「良かった~、社さんが帰るまでに間に合いました!」
「ごめんね?キョーコちゃん急がせちゃったみたいで」
「いえ、社さんがお帰りになった後だと、お休みになっている敦賀さんを起こす事にもなりかねませんから」
そんな俺が全然理解できない会話の後、彼女が笑顔で俺を振り返った。

「…そういうわけですから敦賀さん。今夜は私が責任持って看病しますので、しっかり休んで明日までに回復させましょうね?」

…そういうわけって、どんなわけだ!?
社さんっ!あなた俺をいたぶって楽しいんですかっ!?
ただでさえ頭がぼうっとしてるのに、理性吹っ飛ばして妙な事を口走ったり手を出したりしたら…。

「るぇぇ~~~ん?」
「…何ですか?社さん」
「俺はお前を信じてるからな!それじゃあキョーコちゃん、後宜しくねっ!」
「はい、お任せ下さい!」
「あ、ちょっと社さんっ!」

引き止める隙もあらばこそ、社さんは素早くタクシーに飛び乗り、タクシーは無常にもそのまま去って行ってしまった。
「さあ、敦賀さん。早くお家に入りましょう!」

夜に男の部屋に疑いも無く上がり込むこの天然娘と俺を、無情にも置き去りにして…。
そうして帰宅したものの、彼女が何と言って下宿先を出て来たのか気になった。

「最上さん、急に俺の所に外泊する事になって、下宿先のご主人達には何か言われなかったの?」
心配して尋ねると、彼女はあっさりと答える。
「あ、一応モー子さんが具合を悪くしたので、泊まり込んで看病してきますと断ってきました」
「…そう、琴南さんの所にね」

つまり、正直に話したら下宿先のご夫婦に心配されるか、止められると思ったんだろうか?
それなら少しは俺の事を《男》として認識してくれている事になるから、嬉しいが…。

「はい、私は正直に言ってきてもいいかな?と思ったんですけど、社さんが『下宿先のご夫婦に余計な心配をかけないように、琴南さんの部屋にでも泊まるって言ってね!』って念を押されまして。心配症ですよね?社さんって。敦賀さんに限って心配する様な事なんか、あり得ないのに」
そのままクスクスと笑う彼女に、とどめを刺された気分になった…。

落ち着け、落ち着くんだ、俺。彼女に悪気は無い筈だ…。

「どうかしたんですか?敦賀さん」
唐突に見上げながら尋ねてきた彼女を、何とか笑顔を取り繕い見下ろした。
「どうかしたって…、何が?」
「あの…、何となく表情が無いと言うか、どことなく目が虚ろな感じが…」

それは間違い無く君のせいだから、お嬢さん…。

思わず本気で項垂れてしまった俺だが、そんな俺を見てよほど体調が悪いのかと、慌てた彼女に急かされ、取り敢えずソファーに落ち着いた。ぼんやりと天井や壁を眺めうちに、微かにいい匂いが漂ってくる。
食欲は無かった筈なのに、目の前に手早く並べられた料理の食欲中枢を刺激する匂いと、彼女と同じ空間を共有しているという嬉しい事実が、俺の手と口の動きを増大させて、瞬く間に食べ終えてしまった。
「良かった!食べられる位なら、回復も早いですよ?」

そう満面の笑顔で太鼓判を押され、「ありがとう」とお礼を言いつつ、自分の現金さに苦笑する。
それから彼女が台所を片付けている間にパジャマに着替え、ベッドに潜り込んだのだが、薬は夕方から飲んでいたのだが何となく寒気を感じ、常には無い事だが妙に部屋の広さが気になってしまった。
寝苦しくて何度目かの寝返りを打った時に、ゆっくりと寝室のドアが開いて彼女が心配そうな顔を覗かせる。

「敦賀さん、眠れそうですか?頭を冷やした方が良いなら、すぐに準備しますから」
「いや、それはいらないと思うけど…」
彼女の顔を見て思わずして欲しい事が頭をよぎったが、流石に気恥ずかしくて言葉を濁した。しかし彼女が不思議そうに尋ねてくる。
「思うけど…、何ですか?遠慮無く仰って下さい」

そこで俺は少し迷ってから、思い切って口に出してみた。
「俺が眠るまで、傍で俺の手を握っていて貰えないかな?」
てっきり呆れられるか、笑い飛ばされるかと思ったのだが、彼女は多少驚いた様に何回か瞬きして見せたものの、真顔で頷いた。

「…分かりました。体調が悪い時は、誰でも心細くなりますよね?ちゃんと眠るまで付いてます、安心して下さい」
そう言って軽く笑いながらベッドサイドに腰を下ろし、俺の右手を軽く握ってくれた。

予想外だった掌から伝わる温もりに、体だけでなく心の中まで温められる心地がする。
こんなに穏やかな気持ちで眠りにつくなんて、暫くぶりかもしれない。そんな事を考えながら意識を手放した俺だが、ふと目を覚ました時にまだ横に彼女の姿があった事に少なからず驚いた。
俺の手を握ったままベッドの横に座り込み、自分の腕に頭を乗せてうたた寝している最上さん。いまだに手を握ってくれているのは少し…、いや、かなり嬉しいけど、さすがにこのまま朝までこんな事をさせるわけにはいかない。

「最上さん、起きてくれるかな?ゲストルームでちゃんと休まないと、君まで風邪をひくよ?」
だるい体を起こし、空いている左手で彼女の肩をかるく揺すってみると、身じろぎして何やら呟いたが起きる気配は全く無い。
「…ん、……つ、るが、さん……」

そして何か楽しい夢でも見ているのか、にっこりと微笑んだ。その凶悪とも言える笑顔が、俺の理性に呆気なくひびを入れる。

………もうどうしてくれよう、この娘は。
本当に、無自覚無意識っていうのが、最高に始末に悪い。頼むから俺の理性を、そう盛大に揺さぶらないで欲しいんだがっ……。

「…仕方がない、か」

一つ溜息を吐いてからベッドから降り、彼女を抱え上げてその体を俺のベッドに横たえた。
「まだちょっとフラフラするから、抱えて行って落としたりしたら大変だし…」
そんな事を呟きながら、未だスヤスヤと寝息を立てている彼女を見下ろした。するとタイミング良くと言うか悪くと言うか、再びにこっと笑みを零す彼女。
それで俺はほんの僅かな間だけ、自分の理性に蓋をした。
………………………………………………………………………あ~、うん。…これ位は許して貰おう。まだ犯罪にはならない筈だし……、多分。

そして彼女に布団を掛けて、俺もその隣に潜り込む。
「何か寒気もするから…、温かくした方が良いだろうな…」
一緒に寝た方が温かいから、と弁解がましく零した俺だが、傍で社さんが見ていたら(見ている筈も無いが…)、あまりの滑稽さに腹を抱えて爆笑するだろう。だけど俺としては、先ほどから無意識とは言え、散々俺の理性を試す様な行為を繰り返している彼女に、多少の意趣返しをしたくなったのだ。

「不用意に、男の部屋に泊まり込んだ君が、悪いんだからね?」
さて…、彼女が目を覚ました時、どんな顔をするかな?
最後はそんな少し意地の悪い事を考えながら、彼女を腕の中に引き寄せ、俺は再び穏やかな眠りについた。

俺の体調は、朝には完璧に元通りだろう。
どんな治療や薬よりも、俺にとっては彼女の笑顔が、最高の薬である事は明白だから。







キョコがいればどんな病気でも吹っ飛びますよね。蓮なら(笑)
私も是非添い寝してほしいものです。
めい様、これからもずーっと応援しておりますvv
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